パワプロと梅雨とかオールスターとか


気づけばもう7月に入ってて、
世間一般的なイメージとしては「梅雨=6月」なので
どうも時期がずれてるような気がするけど、
それはもう毎度のことなので
いまさら弁解する気にもなれなくてすみません。

それはそれとしてそのままにしておくべきかもしれない。
マーフィーの法則にあったような気がするけど、

「なんでもいじくり続けていると壊れる」

らしい。だから、

  printf("");

という謎の行があってもそのままにしておいて欲しい。

  /* なぜかこうしたら動いた */

の一文もその上にあれば、それはさらに完璧だ。

「なんでもいいから動くのがよいプログラムだ」

という格言もある(ような気がする)。
いまとなってはどうでもよかったりするけど。

どうでもいいからそれも置いとくと、
一応まだ梅雨らしくて世界中がいやにべとべとしてて、
どうもあまり好ましくない。
お風呂に入ってさっぱりして扇風機に当たっても、
それもまあせいぜい1時間ぐらいで、
またぞろすぐにべとべとしてくる。

不快指数とかいう尺度があるけど、
あれはたしか湿度と気温で出してたと思う。
それぐらい湿度が高いとヒトは不機嫌になるのだ。

たとえばサウナなんかはかなり気温が高いけど、
あの中は湿度が低いからみんな平気なのだという。
これはなかなか不思議な話だ。
あと15年ぐらい若ければこの不思議で
化学の道を歩んでいたかもしれない。

ここでいや待てよと、サウナって湿度が高いんだったかなと、
少し頭が混乱してきた。それに湿度の定義も謎になってきた。
やっぱり化学の道には進まないでよかったのかもしれない。

ということでそのあたりを調べてみる。
するとフィンランド発らしい。
フィンランドとはまた日本とはあまり接点のなさそうな国だ。
なんかキシリトールだったような気がする。あと、水虫のCMと。
ちがっててもたぶんこれからの人生で困ることはなさそうだ。

まあそれによると湿度が高いのも低いのもあるらしくて、
湿度が低いほうが一般的らしい(たぶん)。
それにこのあいだ読んだ週刊誌によれば、

「日本人、サウナ入る前に体ふかなくて湿度上がってこまるヨー」

という話があったような気がする。
やはり湿度は低いほうがいいらしいのだ。
湿度が高いと汗をかかなくなってあまりよくないらしい。

ついでにサウナの入りかたみたいなのを調べてみると、

「発汗→冷却→休息→発汗→…(以下無限ループ)」

ということらしい。終了条件が書いてなかったので、
死ぬまでこのローテーションから逃れられないのかもしれない。
そういえばサウナに入った人が椅子のすき間にはまって出られなくなって
ミイラになって発見されたという作り話もあるのでそうなのかもしれない。

その死ぬ一歩手前でやめる駆け引き、今宵最高のスリルとサスペンス──

これがサウナの醍醐味なのである。
生と死の欲求のアウフヘーベンなのである。
哲学なのである。この手の話はさっぱりなのである。

それも置いとくと、これを書いてるときにオールスターがあったので
ここからはそういう話をしていきたいと思います。
話に脈絡が全然ないのも毎度のことだと思ってます。



主人公「皆さんこんばんは。年に1度の野球の祭典、
    プロ野球オールスター、間もなく始まります。
    本日は矢部明男さんと江崎さんで勤めさせていただきます」

矢部君「こんばんは。『アニメならオレにまかせろ』、矢部明男です」

主人公「今日はアニメの話はしませんから」

江崎「こんばんは。『名字しか設定がない』、江崎です」

主人公「では矢部さん、今日の見所はどういったところでしょうかね」

矢部君「そうですね、やはり力と力のぶつかり合い、
    そういったところに注目するといいですかね」

主人公「そうですか」

江崎「ドイツの守備をいかに崩すか、そのあたりですね」

矢部君「まったくその通りです」

主人公「いや、それもう終わりましたから。それに野球を見ろって、野球を」

矢部君「さぁ、国家斉唱です」

主人公「厳かな雰囲気で始まりました、オールスター」

江崎「本日の歌い手はガチャピン大先生です」

主人公「ガチャピンかよ!こんなことまでするようになったのかよ!」

矢部君「今日は中の人が直接来たみたいでねー」

江崎「手元の情報によりますと、
   近所に住むバイトの大学生、
   山田健一さん21歳だということです」

主人公「バイト学生かよ!」

矢部君「本日は就職活動がお忙しい中ありがとうございました」

主人公「いや、そんなやつ連れてくるなって!」

江崎「このあたりどうでしょう矢部さん、最近の文系の就職状況を考えますに」

主人公「だから野球の話をしろって!」

矢部君「続いては始球式ですね」

主人公「始球式を勤めるのは全国1200万人から抽選で選ばれた、
    東京都佐藤ひろし君、小学6年生ということです」

矢部君「佐藤君のあこがれの選手はカーン選手だそうです」

主人公「サッカーかよ!」

江崎「将来の夢は『カーン選手みたいな投資のうまい選手になりたい』だそうです」

主人公「しかも運動は関係なしかよ!」

矢部君「非常に子どもらしい夢ですねー」

江崎「それと『マネーの虎に虎の方で出たい』だそうです」

主人公「めちゃくちゃ嫌なガキだって!」

矢部君「え?あ、はいはい。いま入った情報によりますと、
    先ほど申し上げた『カーン選手』なのですが、
    正しくは『チンギスカン』の間違いだそうです。
    ここに訂正とお詫び申し上げます」

主人公「いや、どんなガキだよ!」

江崎「『チンギス汗』と書いたりしますが、
   そのあたりをどうお考えになりますか」

主人公「だから野球の話をしろって!」

矢部君「さあ、始球式です。おっと、佐藤君ちょっとぐずってますねー」

江崎「手元の情報によりますと、母親が勝手に応募してて、
   先ほどまで母親と口げんかをしてたところだそうです」

主人公「なんでそんなやつ連れてくるんだよ!」

矢部君「あっ、佐藤君ボールを叩きつけて帰っちゃいましたねー」

江崎「難しい年頃ですからねー」

主人公「そんなのんきなこと言ってる場合じゃないですよ」

矢部君「代わりに山田健一さんが引き続いて始球式を勤めるようです」

主人公「まだいたのかよ!」

江崎「まあ、これもシナリオ通りなんですけどね」

主人公「何のために!?」

矢部君「手元の情報によりますと、山田さんは野球経験があるそうです」

主人公「そうなんですか」

江崎「それから手元の情報によりますと、
   小さいときに両親が離婚して、父親と2人暮らしだったそうです」

主人公「いや、手元の情報ってそんなことまで調べてるの?」

矢部君「山田さん、どこに逃げても無駄ですからね」

主人公「ストーカー!?」

江崎「今日は球場に山田さんのお母さんの姿が見えてるそうです」

矢部君「(ハンカチを目に当てながら)たとえ離れていても、
    母と子というのはつながっているんですね、うっうっ」

主人公「いや、あんたも無理に感動しようとするなって」

江崎「いま山田さんの投げたボールを、
   キャッチャーがしっかりと受けとりました。
   おおっと!そのキャッチャーがマスクを取りながら、
   ゆっくりとマウンドに近付いていきます!」

矢部君「(顔を手でおおいながら)母と子の、15年振りの感動の再開です!」

主人公「って、ムックかよ!山田はどこの星の生物だよ!
    って、山田も当惑するなよ!それぐらいアドリブ効かせろよ!」

江崎「球場全体がいま拍手で包まれました。いよいよプレーボールです」

主人公「この、オールスターというのは商品や賞金の行き先というのも
    ひとつの見所だと思うのですが」

矢部君「ええ、そうですね。本日もっとも活躍した選手には
    賞金1000万円が手渡されるそうです」

主人公「1000万円とはまたスポンサーもはりきりましたね」

江崎「なお賞金1000万円は本日もっとも活躍しなかった選手から手渡されます」

主人公「しなかった選手からかよ!」

矢部君「賞金の一部は年度末の道路工事といった福祉事業に用いられます」

主人公「いや、それかなり意味ないって!」

江崎「それからホームランを打った選手には、
   商品として外米一年分が送られます」

主人公「それ始末に困って押しつけてるだけだろ!
    というか、まだ残ってたのかよ!」

矢部君「また、本日参加した選手には参加賞としてもれなく
    『山田と記念撮影できる権』が与えられます」

主人公「山田って何者だよ!」

江崎「そうこうしてるうちに始まりましたね」

矢部君「まずはオールセントラルの攻撃からです」

江崎「1番バッターは山本選手です」

主人公「ええ、山本選手のオールスターに対する意気込みは、
    『全打席ホームランをねらっていく』だそうです」

矢部君「ペナントとはちがって、のびのびプレーできるのも
    オールスターならではですからねー」

江崎「それでは山本選手の試合前の映像を少しご覧ください」

主人公「やけに画質がわるいですけど」

矢部君「試合前にロッカーを隠し撮りした映像ですねー」

主人公「いや、そんなの撮るなよ」

江崎「あ、いま鼻ほじった!」

矢部君「わ、見て見て!それをひとのユニフォームになすりつけてる!」

江崎「こういうところもオールスターならではですからねー」

主人公「いや、これに何の意味があるの!?」

江崎「そうこうしてるあいだに山本選手はホームランを打ったそうですね」

主人公「しかも段取り最悪だよ!」

矢部君「どうせまたすぐに見られますよ」

主人公「いや、あんたたち野球に興味ないでしょ」

江崎「まあいいじゃないですか。2番は田中選手です」

主人公「田中選手は現在首位独走中のチームを
    陰ながら支えていると言われてますねー」

江崎「はい、送りバントの名手として非常に信頼されている選手です」

矢部君「ええっと、田中選手のオールスターにかける意気込みは、
    『たまにはオレもフルスイングしてーなー』だそうです」

主人公「いや、本音トークかよ!」

江崎「さあ、バッターボックスに入りましたが、
   おや?何やらベンチから指示が出ているようですね」

矢部君「バントです!ランナーはいないけど送りバントです!」

主人公「いや、打たせてあげろよ!」

江崎「田中選手、きっちりと送りバントを決めました」

主人公「おい、あの人泣いてるって!」

矢部君「まあ、犬死になんですけどね」

主人公「ひどいこと言うなって!」

江崎「こういうところもオールスターならではですからねー」

主人公「お前、全部それでかたづけようと思ってるだろ!」

江崎「それでは田中選手の試合前の映像です」

主人公「またロッカーの隠し撮りですか」

江崎「田中選手が部屋にひとりですねー」

矢部君「ええ、あらかじめスタッフが台の上にHな本を置いたんですけど、
    田中選手のリアクションが楽しみですねー」

主人公「せっかくのオールスターなんだからもっとほかのことを楽しめよ!」

江崎「あっ、取るよ取るよ!」

矢部君「あ、ほら、見た見た!しかもあんなコーナーを熱心に見てる!」

江崎「いやぁ、田中選手も意外に好きものだということがわかりましたねー」

矢部君「人は見かけによりませんねー」

主人公「だからお前ら野球の話をしろって!」

江崎「さあ、そうこうしてるうちにチェンジですね」

主人公「あいかわらず段取りわるいね」

矢部君「次は…ええっと…パ、パ、パンパン?パントラル?パンツ?」

主人公「知らないのかよ!」

江崎「矢部さん、パンチョリーグですよ」

主人公「いや、そりゃパ・リーグと関係あるけどさ!」

矢部君「たしか弟子にエスパー伊藤っていましたよね」

江崎「いたいた」

主人公「いや、いないって!お前もかんたんに同調するなって!」

矢部君「そうこうしてるあいだに試合はどんどん進んでますね」

江崎「バッターは鈴木選手です」

矢部君「鈴木選手の対戦したい選手は『人妻』だそうです」

主人公「そいつ絶対意味まちがってるって!」

江崎「鈴木選手の試合前のインタビューがあります」

主人公「今度はちゃんとインタビューをしたんですか」

・・・

江崎「鈴木選手、タイプは家庭的な女性ということですが」

鈴木「ええ、そうですね。そういうのに“ぐっ”とくるんですよ(笑)」

江崎「“ぐっ”、ですか(笑)」

・・・

主人公「お前、何聞いてきてるんだよ!」

矢部君「そんなことよりも、鈴木選手が打席に入りましたよ」

主人公「鈴木選手と投手の中村選手の対決は注目の対戦ですからね」

江崎「えっ、中村選手って人妻だったんですか!?」

主人公「さあ、バカはほっといて試合を見ましょうか」

矢部君「え?あ、はいはい。ここで一旦、CMだそうです」

主人公「こいつら段取りがめちゃくちゃわるいよ!」

江崎「このあと、オールスター史上最悪のできごとが!」

主人公「変なテロップ入れるなって!」

矢部君「たぶんですね、鈴木選手がサイボーグ化して復活するんですよ」

江崎「ああ、それはかなり安っぽくて最悪ですねー」

矢部君「で、そこに未来から来た中村の子供が助けに来ると」

江崎「ありがちですねー」

主人公「最悪なのはお前らだって!」

江崎「あ、はいはい。CMの間にすごいことがあったそうです」

矢部君「すごいですねー、まさかあの球を…おっと、これ以上は」

江崎「本当にすごかったですよねー、
   よもやあんな方法で…っと、あやうくしゃべるところ」

主人公「いや、ちゃんと教えろよ!」

江崎「あとでうまいこと編集してもっとすごくなりますから」

矢部君「ロボットとか出るね、ロボットとか」

主人公「いらんことするなって!」

矢部君「え?あ、はいはい。もう放送時間が残り少ないそうです」

江崎「じゃあそろそろまとめに入りましょうか」

主人公「いや、まだ試合終わってないんだけど」

江崎「大丈夫ですよ、それもうまいこと編集しますから」

矢部君「もっと大きなロボットとか出るね、大きなロボットとか」

主人公「(もうなんでもいいや)」

矢部君「それではみなさん、また来年」

江崎「お会いしましょう」

主人公「いや、無理でしょう」


戻る