合宿


きのう(7/21日現在)から夏休みが始まったそうですが、
パワプロの世界では夏と言えば合宿なんだそうです。

高校偏の5でも8月は合宿に行きます。
6でも「夏と言えば合宿」と明言しています。

自分は野球部じゃなかったからよく知らないんだけど、
全国的に夏は合宿をするものなのでしょうか。

確かに炎天下の学校のグランドで練習をするよりは、
少しでも涼しいところで練習をした方が効率はいいような気はします。

でも主人公たちが行くところはどうもそうではなさそうです。
そのことについて我々が調査していると、
ひとりの勇気ある野球部員からのタレ込みが入った。

「そうでゲスねぇ。あんな炎天下で水もなしなんて10数年前の練習でゲスよ。
 これはオレの想像でゲスけどね、もしかしたら業者との癒着が・・・
 だいたいでゲスねぇ、この値段でこのランクの宿なら・・・
 (この後、延々2時間お金の話が続く)」
※.プライバシー保護のため音声を変えています

話が終わると、なぜか我々の手元には契約書が残されていた。
「低金利時代のいまこそ!」という言葉を、彼は何度口にしただろうか・・・


前回の調査スタッフが謎の失踪(夜逃げとも言う)を遂げて3年。
我々は再び調査を再開することにした。
取材を続けていると、現在プロ野球選手となった
卒業生とのコンタクトに成功した。

「そうでやんすねぇ。合宿に持っていくフィギアには特に注意を払ったでやんすねぇ。
 なるべく頑丈なやつじゃないと壊されることがあるでやんすから。
 え?なんのためにそんなものを持っていくのかでやんすか?
 そりゃもちろん一緒に寝るためでに決まってるじゃないでやんすか。
 だいたいでやんすねぇ、オイラが考えるに2次元の世界を・・・
 (この後、延々と2時間マニアックかつピンクな話が続く)」
※.プライバシー保護のため音声を変えています

取材から帰ってきたメンバーには明らかな異変が生じていた。
話しかけても「あおいちゃんラブ!というかむしろ萌え!!」としか
反応を示さなくなったのである。


我々はこれ以上の調査の続行を不可能と判断し、
ここで取材を中断せざるを得なかった。

現在でもなお残る解明されない触れてはならない謎。
それは情報化社会に住む我々へ警鐘を鳴らしていたのかもしれない。



主人公「夏だねぇ」

矢部君「夏でやんすねぇ」

主人公「暑いねぇ」

矢部君「暑いでやんすねぇ」

主人公「何もする気が起きないねぇ」

矢部君「え、じゃあ主人公君、息もしてないし心臓も動かしてないでやんすか?」

主人公「つっこむ気にもならないねぇ」

矢部君「(お前は小学生かよ!と心の中でセルフつっこみをしてから)
    ところで主人公君、きょうも練習をするんでやんすか?」

主人公「一応いつも通りの練習を考えてるけど」

矢部君「それじゃあダメでやんすよ。やっぱり夏は夏らしい練習をしないと」

主人公「例えばどんなの?」

矢部君「例えばこんなのでやんすよ。『ドキ!球児だらけの千本ノック!』」

主人公「これっぽっちも『ドキ!』っとしないって!」

矢部君「もちろんボールをポロリもあるでやんすよ」

主人公「それ全然うれしくないって!」

矢部君「せっかく考えたのにダメでやんすか。
    じゃあこういう趣向のなんかどうでやんすか。
    まず夜中にまっ暗な部屋にみんなを集めるでやんすよ」

主人公「それで?」

矢部君「部屋は少しせまいぐらいがいいでやんすね。肩がぶつかり合うぐらいの。
    そこでひとりずつ、恐い話をするんでやんすよ」

主人公「それでどうするの?」

矢部君「話がひとつ終わるごとに、みんなで一斉に素振りを始めるでやんすよ」

主人公「それは別の意味で恐いって!」

矢部君「これを行うと参加者は必ず恐ろしい目にあうと言われてる、
    呪われた特訓でやんす。過去ひとりもこれを実行した人はいないそうでやんす」

主人公「そんなのやる前にわかるからだって!」

矢部君「でもまあ、どんな学校にもひとつやふたつぐらいは恐い話ってあるもんでやんすよ」

主人公「学校の7不思議とかよく言うよね」

矢部君「オイラの学校でもあったんでやんすねぇ、やっぱり」

主人公「どんなのが?」

矢部君「ある日学校のトイレで大きい方をしてたんでやんすよ」

主人公「ああ、トイレの話ってよくあるよね」

矢部君「それで用が済んで個室を出るでやんすよね」

主人公「うん、それで?」

矢部君「なんとなく次の日も同じところに行ったんでやんすよ。
    そしたらなんとでやんすね、
    きのう終わったあとにはあったものが消えてたんでやんすよ」

主人公「ちゃんと自分で流せよ!恐くないよ!」

矢部君「それよりもうちの大学の野球部に伝わる話って知ってるでやんすか?」

主人公「いや、知らないけど」

矢部君「10年ぐらい前の話でやんすかねぇ、
    かなり有望視された1年生が入部して当然レギュラーになったんでやんすよ」

主人公「ふんふん」

矢部君「そしたらそれをよく思わない上級生がいたんでやんすね、やっぱり。
    なにかにつけてその1年生をいじめたんでやんすよ」

主人公「どんなので?」

矢部君「レギュラーって言っても1年生だから後かたづけとかがあるでやんすよね。
    バットとかグローブの数ってきちんと決まってるでやんすから、
    足りないと困るわけでやんすよ。その上級生たちは毎日のように
    バットを隠しては因縁をつけて、ついには自殺に追い込んだっていう
    話があるんでやんすよ」

主人公「それでどうなったの?」

矢部君「それからでやんすかねぇ。ちょうどいまぐらいの季節で辺りが薄暗くなったころ、
    グランドに出るって言われてるでやんすよ」

主人公「それはかなり恐いね」

矢部君「野球部を見るとうらめしそうな声でこう言うらしいでやんすよ。
    バット ガ イッポン・・・」

主人公「うわぁ!」

矢部君「デモ ニンジン・・・」

主人公「って、恐くないよ!」

矢部君「ニホン デモ サンジン・・・」

主人公「しかもまちがってるよ!」

矢部君「しかし三本の矢が集まればこのように」

主人公「なんで途中から変わるんだよ!」

矢部君「いまならもう1本お付けして9800円、9800円のご奉仕です」

主人公「もう意味がわからないよ!」

矢部君「そうこうしてるうちにもうこんな時間でやんすよ」

主人公「あ、本当だ。結局なんにも練習してないね」

矢部君「じゃあ帰ろうでやんすか」

主人公「そうだね・・・。や、矢部君。あそこに誰か立ってない?」

矢部君「そう言えば誰かいるみたいでやんすね」

主人公「ほら、何かぶつぶつ言ってるよ・・・」

矢部君「なんて言ってるでやんすか?イッポン・・・」

主人公「で、出たぁ!」

矢部君「イットク・・・?」

主人公「そんなやつはいないよ!」


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