千秋


なんだかんだと20回目です。
今回は千秋について書いてみます。

フルネームは記憶が正しければ白川千秋。
主人公とは確か同学年だったと思います。

所属学科は英文科とか心理学科とか。
この不景気の世の中で、
女性の文系は就職がとっても大変だと思いますが、
多分、彼女は親のコネで就職しそうな気がします。

だいたい大学に
あんな格好(ユニフォームでうろつく主人公もどうかと思うけど)で
来るなんて、ふつうではありません。
じいやがいたり、お嬢様とか呼ばれるような家に
住んでいるに違いありません。
明治のころぐらいから代々続いてる由緒正しいお家なのでしょう。

それを強力に裏付けるエピソードがあります。
相変わらず勝手な想像なのですが、
彼女は一人っ子か、それでなくても兄弟は妹だけです。
だからどうしたと思うかもしれませんが、
名家である(想像でだけど)白川家は家を継ぐことが非常に重要です。
となると、子供が女の子だけなら婿養子をとらなければなりません。

千秋がたまに持ってくる

「これ、お父さんが主人公さんに」

というお金には、
「観念しろ」という意味が含まれているに違いありません。

以上、タダより恐ろしいものはないというお話しでした。



矢部君「主人公君、今日コンパがあるでやんすけど
    一緒にどうでやんすか」

主人公「もちろん行くよ!」

(で、コンパの会場)

矢部君「あ、ほら主人公君。あの子なんかどうでやんすか?」

主人公「矢部君もそう思う?よし、じゃあ声をかけてみようか」

千秋「あら、あなたは野球をやってるんですか」

主人公「え、どうしてわかったの?」

千秋「だってこんなところにユニフォームで来てるし」

矢部君「オイラも野球をやってるでやんす!」

千秋「そうですか・・・って、その格好はなんなの!?」

主人公「や、矢部君!いつのまにウルトラマンセブンのコスプレなんかしたの!?」

矢部君「これはオイラの勝負メガネでやんす。気にしないでいいでやんすよ」

主人公「(アイタタタ・・・)」

千秋「ま、まあこういう人がいた方が盛り上がりますよね・・・」

主人公「ところで千秋ちゃんは趣味とかなにやってるの?」

矢部君「オイラの趣味はエロでやんす!」

主人公「いや、あんたには聞いてないから。休みの日とかなにしてるの?」

矢部君「オイラ一日中部屋でエロいことを考えてるでやんす!」

主人公「いや、もうそれはいいから。ちょっと引いた?ハハハ、今のは冗談だって。
    こいつはいつもこんな感じなんだって。そう言えばテレビとか良く見るの?」

千秋「ええ。でも親がうるさくてほとんどNHKしか見させてもらえないんです」

矢部君「そうでやんすか!オイラもNHKは良くみるでやんすよ!」

主人公「や、矢部君・・・君の言いたいことはなんとなくわかるから、
    そっから先はもうしゃべらなくていいからね」

千秋「矢部さんって見かけによらずまじめな方なんですね。
   本なんかもやっぱり勉強されてるんですか?」

矢部君「本でやんすか!そりゃもうすごい守備範囲でやんすよ!」

主人公「(どうせマンガばっかりだろ)」

矢部君「そうでやんすねえ、話題になった本なんかは一応全部目を通してるでやんす」

主人公「(なに言ってやがる。この間もおんなじマンガを3冊買ってたくせに)」

千秋「まあ、それはすごいですね。雑誌なんかはどうですか?」

矢部君「最近よく読んでるのはそうでやんすねえ、『週刊メガネ』でやんすかねえ」

主人公「ブホッ!(飲んでた烏龍茶を吹き出した)や、矢部君!それ・・・なんなの?」

矢部君「知らないでやんすか?毎週付録に世界のメガネのトレカが入ってるでやんすよ」

主人公「絶対マニアックすぎるって、それ!」

千秋「あら、奇遇ですね。父が買ってくるから私もよく読んでますよ」

主人公「お前も読んでるのかよ!」

矢部君「今週号では『世界のメガネのネジ100選』は最高だったでやんす」

主人公「そんなのどれだって一緒だって」

千秋「ええ、あの21番の溝の角度なんかはなかなか出せませんよね」

主人公「違うの?ねえ、違うの?」

千秋「矢部さんっておもしろいんですね。じゃあまた学校でもよろしくね」

矢部君「あ、バイバイでやんす。いやぁ、主人公君。今日のコンパは良かったでやんすねぇ」

主人公「そ、そうだね」

矢部君「オイラ電話番号しっかり聞きだしたでやんす」

主人公「ウソ!?ちょ、ちょっとオレにも教えてよ!」

矢部君「いいでやんすよ。ええっと、イチ・・・」

主人公「イチ、(携帯じゃなくて家の番号かな?)」

矢部君「イチ・・・ゼロ」

主人公「イチ、ゼロと・・・って、これ110番だよ!」

矢部君「ええ!?オイラさっき知らずにかけたでやんすよ!」

主人公「ていうか気付けよ!」

矢部君「オイラに春が来るのはいつでやんすかねぇ・・・」

主人公「(とりあえずそのコスプレをやめないと来ないと思う)」

主人公はそっと矢部の頭に手をやった。
そしてアイスラッガーを取り外してこうつぶやいた。

「落ち武者」


書いてから言うのもなんだけど、
千秋がメインじゃないような気がする。


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