資料名  「 トリプルマーカーテスト 」 
       〜ダウン症児を中絶〜

[ねらい]
  ・命の尊さを感じることができます。
  ・トリプルマーカーテストの存在を知ることができます。
  ・障害者に対する偏見を持たなくなることが期待できます。
[セールスポイント]
  ・ノンフィクションの資料です。
  ・ワークシートとセットになっています。
[対象学年]
  ・小学校高学年,中学校全学年
[追試の際の留意点]
  ・写真は,コピー機でTPシートに転写し,OHPで投影すると効果的です。
  ・障害者に対して,人権的配慮を十分取るようにします。具体的に述べると,授業前,もしくは授業後に,障害者
   に対して偏見を持たないように,指導(授業)を行う必要があります。


[発問1] 写真を見ましょう。
      この写真を見て,どんな印象を持ちましたか。
      
 次のよう反応があった。
        ・鼻が低い。
        ・顔が平べったい。
        ・普通の人間だ。
       (本授業では,本物の写真やVTRを用いた。)
       
            

[説明1] 写真の人は,ダウン症という病気になって生まれた人です。
      ダウン症とは,染色体の病気です。(人間の21番目の染色体以上によって生じる病気)
      この病気は,・・・・・・・・・〔 省 略 〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。        

         省略の部分は,『今を生きる人々に学ぶ』(大江浩光著・明治図書)
        掲載しております。

[発問2] ダウン症児について,どのような感想を持ちましたか。
        ほとんどの子どもが「かわいそう」と,答えた。
      ※ 発問2は,障害の有無だけで人間を判断してはいけないということう知らせる布石である。

[発問3] ある国では,ダウン症児が生まれてくるのを減らす為,あることを妊婦さんに義務づけました。
      それは,次の中のどれでしょうか。
       (1)ダウン症児が生まれない方法を教える講習会に参加することを義務づけた。
       (2)ダウン症児が生まれない薬を可能性の高い妊婦に飲むことを義務づけた。
       (3)胎児がダウン症児であるかないかの検査を義務づけた。
     
  子どもたちの反応結果は,次の通りである。
       (1)・・・・21人
       (2)・・・・16人
       (3)・・・・・3人 

[説明2] 答えは,(3)です。
       その国では,妊婦さんに胎児がダウン症児であるかないかの検査を義務づけたのです。
       その検査名を「トリプルマーカーテスト」といいます。
       「トリプルマーカーテスト」は,妊婦さんの羊水(お腹の中の水)や胎児の血液等を調べ,お腹
       の中の赤ちゃんがダウン症児であるかないかが分かる検査方法です。
       検査結果をもとに,中絶(赤ちゃんを下ろす)するかしないかは,本人に任されます。
         

[発問4] 妊婦さんに「トリプルマーカーテスト」を義務化している国では,ダウン症児の出生率は,減っ
      たでしょうか。それとも変わらなかったでしょうか。

       子どもたちの反応は,次のようであった。
       ・減った・・・・・・・・・・・・・(35人) 
       ・変わらなかった・・・・・・( 5人)

[説明3] 「トリプルマーカーテスト」を義務づけた国では,ダウン症児は,〇〇以下 になりました。
       その結果,ダウン症児などの障害者に対する生活の補助や施設などにかかるお金も従来に
       比べて〇〇以下 になりました。
        
〇〇の中は,『今を生きる人々に学ぶ』(大江浩光著・明治図書)に掲載
       しております。

[発問5] 日本では,「トリプルマーカーテスト」をしている病院はあるのでしょうか。
      発問の結果は,次の通りであった。
       ・ない・・・・・・・(24人)
       ・ある・・・・・・・(16人)

[説明4] 日本でも「トリプルマーカーテスト」を行っている病院はあります。
      希望者だけに行っているところが多いそうです。
      しかし,病院によってはその検査を受けることを勧める所もあります。

[指示1] あなたは,「トリプルマーカーテスト」について,どう思いますか。
      ワークシート1に「よい」,「悪い」「どちらともいえない」のうち,どれかに〇をつけて,理由も書き
      ましょう。

       次ようなことが書かれていた。
        〔よい〕・障害児が生まれると親も大変だから。
            ・障害児本人も苦労すると思うから。 など。
        〔悪い〕・ダウン症児の赤ちゃんがかわいそう。
            ・ダウン症児にとって,とても失礼である。
            ・ぼくは兄弟に障害者がいるけど,ときどきかわいそうと思うことがあるけど,ぼくに
             とっては大切な兄弟です。この検査は絶対に許せない。 など。 
        〔どちらともいえない〕
            ・自分がその状況になってみないと分からない。 など

[指示2] お母さんのお腹の中に入っているダウン症児は,お母さんに何と
      言っているのでしょうか。
      ワークシート2の吹き出しに書きましょう。
       





           〔途中省略・・・発問1つ,説明1つ〕



[指示3] ある妊婦さんが「トリプルマーカーテスト」の結果,陽性(胎児は,ダウン症児)と判定されました。
      しかし,ダウン症児を産んだそうです。
      そのお母さんからのメッセージを読みます。
      静かに聞きましょう。

                メッセージは,省略

                   詳しいメッセージの内容やワークシートは,

『今を生きる人々に学ぶ』(大江浩光著・明治図書)

                  をご覧下さい。
 

          本授業では,このメッセージを紙に印刷したものを配り,なおかつ,OHPでこのメッセージを投
         影しながら,読んだ。

[指示4] 授業を受けて,感じたことや考えたことをワークシート4に書きましょう。
       次のような内容か書かれていた。
       ・普段真剣に考えたことがないいろいろな人の「命」について,真剣に考えることができて,よかったで
        す。
       ・人によって,いろいろな考え方をするんだなあと思いました。
        私は,その立場になっていないので,何ともいえませんが,ただ一つだけ言えることは,「命」は大切に
        しなければならないと思いました。
        また,自分も自分の命を大切にしなければならないと思いました。
        今日の授業は,これから私の心に残ると思います。
           


私の自作資料に関して一言
    (1)普段の授業や研究授業などで使用していただいて結構です。
    (2)教育雑誌や教育書,その他の書籍に無断掲載することは,著作権法に触れますので,
       ご遠慮ください。

                             

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