資料名 『義足のスプリンター』
[ねらい]
・前向きに生きようとする心構えが育ちます。
・障害者に対する正しい認識を持つことの大切さが分かります。
[セールスポイント]
・インパクトのあるノンフィクションの資料です。
・主人公からのメッセージを掲載しています。
・すぐに使えるワークシートとセットになっています。
[対象学年]
・小学校高学年,中学校全学年
[追試の際の留意点]
・写真は,コピー機でTPシートに転写し,OHPで投影すると効果的です。
・障害者に対して,人権的配慮を十分行うようにする。
(本実践は,1996年12月,小学校6年生で実施したものです。)
[発問1] あなたは,50mを何秒で走れますか。
次のような反応かあった。
・10秒 ・11秒 ・9秒 など。
[指示1] このクラスの50m走における男女上位3名の記録と全国平均を比べてみましょう。
広幅用紙に書いたデータを見せながら行った。
本著(『今を生きる人々に学ぶ』)には,そのデータを詳しく掲載しておまりす。
[発問2] 現在の100mの世界新記録は,何秒でしょうか。
次のような反応があった。
・9秒 ・9秒99 ・9秒83 など。
[説明1] 100mの世界新記録は,9秒83です。
カナダのベンリー選手が1996年のアトランタオリンピックで出した記録です。
ベンリー選手の走っている画像があれば,活用すると効果です。
世界新記録が更新されれば,選手名を差し替えてください。
[発問3] この34歳の男性は,100mを何秒で走るでしょうか。
次のような反応があった。
・10秒 ・15秒 ・9秒 9秒99 など。
※授業では,鮮明な実物の写真を用いた。
鮮明な写真は,本著(『今を生きる人々に学ぶ』)に掲載してお
ります。
[説明2] 正解は,13秒79です。
子どもたちは,なんだというような顔つきをしていました。
[発問4〕 この男性は,速いと思いますか。普通と思いますか。遅いと思いますか。
「普通」と70%,「遅い」が30%くらいであった。
[発問3] 先生は,この男性がすごく速いと思います。
その理由は,この一枚の写真です。
子どもたちは,びっくりしながらその写真を見ていました。
〔説明4〕 この男性は,高等学校の先生です。
名前は,〇〇といいます。
〇〇さんは,交通事故で・・・・・・・・・・(以下省略)
〔 途中の中心場面は,省略 〕
(説明3つ,指示2つ,発問2つ)
[指示4] 〇〇さんは,障害者のオリンピックの100m走に参加したそうです。
どうして,〇〇さんは,参加したのでしょうか。
ワークシート(2)に書きましょう。
次のような反応があった。
・自分を試してみたかった。 ・自分の可能性を試してみたかった。
・もともと陸上競技をしていたから。 なと。
※ ワークシートは,本著に掲載しています。
[説明8] 〇〇さんは,3つの理由から障害者のオリンピックの100m走に参加したそうです。
1つ目は,今まで日本には,この部門で先駆者がいないから。
2つ目は,自分や教え子にかつをいれるため。
3つ目は,誰でもやればできるんだということをいろいろて人に分かってもらいたかったから。
[指示5〕 ・・・・・・(内容省略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・をワークシート(3)に書き,発表しましょう。
この指示は,この授業を左右する最も大事な所です。
[説明3] 本人の〇〇さんから,メッセージが届いております。
先生が代読しますので,聞きましょうか。
本授業では,このメッセージを紙に印刷したものを配り,なおかつ,OHPでこのメッセージを投影しなが,
読んだ。
※ 詳しいメッセージは,
(大江浩光著・深澤久解説・明治図書) |
に掲載しております。
[指示7] 授業を受けて,感じたことや考えたことをワークシート(4)に書きましょう。
次のような内容か書かれていた。
・私は,今まで足がない人を見たことがなかったので,〇〇先生の写真を見たとき,少しびっくりしま
した。
〇〇先生は,足がなくてもくじけず,前向きに生きている姿を見ていると,私にも勇気と何事にもあ
きらめず,頑張ろうという気持ちがわいてきました。
こんな気持ちにしてくださった〇〇先生に,感謝しています。
※ 授業終了後,他の教育活動と連動した取り組みを行いました。
その結果,子どもたちは,更に「命を尊さ」を自覚することができました。
これは,「総合的な学習の時間」とも関係しております。