資料名 「真の金メダリスト」

[ねらい]
 ・人間は,完璧な存在ではないことが分かります。
 ・所定のルール(概念)に固執することなく,改革していくことの大切さが分かります。
 [セールスポイント] 
 
 ・シドニーオリンピックの柔道の試合を取り上げています。
  ・錯覚絵図を用いています。
  ・ワークシートとセットになっています。
[対象学年]
  ・小学校中学年以上
[追試上の留意点]
  ・イラストなどは,コピー機でTPシートに転写して活用するとよいです。
[備考(私見)]
  ・私は個人的にも,事実としても,篠原選手が真の金メダリストと確信しています。
   遅咲きでありながらも,ここまで頑張ってこれらた篠原選手のことを考えると,シドニーオ
   リンピック柔道100キロ超級決勝の判定結果は,無念で仕方がありません。


〔発問1〕 どちらの選手が勝ったと思いますか。
     (補足)柔道では,相手を背中から畳に投げ飛ばせば一本となり,試合が終了します。
      ・左側の選手・・・80%
      ・右側の選手・・・20%
      ※ シドニーオリンピック柔道100キロ超級決勝の記憶が残っている子どもがいた。

      本物の写真は,下記の書籍に掲載しています。       

『続・落語流道徳授業』
(大江浩光著,押谷由夫解説,明治図書









〔説明1〕 みなさんも記憶に残っているかもしれませんが,このシーンは
      シドニーオリンピック柔道100キロ超級決勝の1シーンです。
      右側の選手が「内股(うちまた)」という技をかけてきたのを篠選手は,
      「内股すかし」という技で投げ返したのです。
      その技が見事に決まり,篠原選手は相手の選手を投げ飛ばしました。
      この技がかかった瞬間,近くにいた副審が,
      右腕をさっと上げ,
      「一本」の合図を出しました。
      もちろん,この副審は,左側の選手(篠原選手)の技に対して
       「1本」の合図を出したのです。
      





〔説明2〕 篠原選手は,自分がかったと確信して,
     ガッツポーズを取りました。
 








〔説明3〕 次の瞬間,その決定がくつがえされたのです。
      なんと,主審ともう一人の副審がこの判定を認めず,逆に右側の選手のほうに
      「効果」のポイントが付いたのです。
      柔道の判定のルールを簡単に説明します。
      審判は,一人の主審と二人の副審で行われます。
      判定は,多数決で決まります。
      一人の副審が一本と判定しても,残りの審判が認めなければ,その判定は,
      無効になります。






〔説明4〕 ヘットコーチである山下さんは,試合後審判に対して,猛然と抗議をし,この試合
     のビデオテープと抗議状を世界柔道連盟に提出しました。
     しかし,判定が変わることはありませんでした。
     世界柔道連盟日のジム・コジマ審判理事も
     「私も篠原選手の一本勝ちだと思ったが,三人の審判が決めたことだから,覆せない。」
     と,コメントを出した。

〔指示1〕 写真や映像から判断すれば,篠原選手のほうが有利だと思います。
     この判定結果について,どう思いますか。
     いろいろな視点から判断して,ワークシート1に書きましょう。
     (その後,意見交換をする。)
     ※いろいろな視点でこの判定を考えさせる。
      
        
〔指示2〕 AとBとでは,どちらが長いでしょうか。
      ワークシート2に答えを書きましょう。

      ※錯覚絵をみせます。
        詳しくは,下記の書籍に掲載しています。

『続・落語流道徳授業』
(大江浩光著,押谷由夫解説,明治図書


〔説明5〕 答えは,「同じ」です。
      人間には,ちょっとした思い込みや,見方により,間違えることがあります。
      人間は,完璧なものではありません。
      話は戻りますが,因みに日本の国技でもある相撲は,行司や4人の土俵審判がいるにも関わらず,
      正確な判定を行うため,昔の慣習にとらわれることなく,ビデオを採用しています。

〔説明6〕 試合後,篠原選手は,
      「感想も何もない。自分が弱いから負けた。」
      と,短いコメントをうめくように言ってたそうです。
      また,あるホームページの掲示板には,疑惑の判定をした審判の国の商品不買運動がすすめる
      書き込みが200件以上もありました。

〔指示3〕 この授業を受けて,この判定から何を学ぶことができましたか。
      ワークシート3に書きましょう。
      (ワークシートに書かせた後,発表させる。)
      (いろいろな意見を聞かせることにより,人間はいろいろな視点で物事を考えることの大切さを気づかせたい。)
      ※・疑惑の判定をした審判の国の商品不買運動を賛成するような意見がありれは,是正する必要がある。
       ・人間は,完璧な存在ではないことが分からせたい。
       ・所定のルール(概念)に固執することなく,改革していくことの大切さが分からせたい。
       ・感情論にに陥らないようにする。


私の自作資料に関して一言
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    (2)教育雑誌や教育書,その他の書籍に無断掲載することは,著作権法に触れますので,
       ご遠慮ください。
  
                              

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