道徳ミニ講座

[道徳性の発達について]

身体や知能と同様に道徳性も加齢とともにある程度発達すると考えられている。
しかし,そこにはさまざまな学習や意図的な指導が必要となってくる。
あまり意図的な指導をしなくても,一般的な生活や人間関係を通して道徳性はあ
る程度発達する。
なぜならは,生活環境が一種に指導・学習の役目を果たしているからである。
例えば,食卓に大きさの異なったおかずが置かれているとする。
幼児期には,自己中心的思考が強いため,大きいものを取ろうとする。しかし,加齢
とともに周りの環境・状況を判断して,取るもの(大きさ)を考えるようになってくる。
それは,家庭における自分の置位や家庭が行なってきた「しつけ」などかからみあ
って,そのようて思考が生まれてくる。
逆に言えば,そのようて環境(しつけ)が欠落していれば,道徳性の発達は停滞す
ると考えられる。
以上のことを考えると、教師は道徳性の発達を理解した上で,道徳授業を行なうこ
と重要となってくる。
「道徳性の発達段階論」で有名な3名を紹介する。
1.ピアジェの発達段階論
2.ブルの4段階説(ピアジェの発達段階論を継承)
3.コールバーグによる道徳性発達段階論

個人的に以前コールバーグ理論を研究していたので,そのことに関して簡単に
述べたいと思う。
コールバーグ氏は,目指す道徳教育の目標として「3水準6段階」の発達段階に従
って,道徳性の発達をより高い段階へと促すことである述べている。
道徳性を高めるためには,道徳的ジレンマ資料(物語)を提示し,資料を通してどう
することが大切なのかということにとどまるのではなく,新しい方向性(人としてのあ
り方,あるべき姿)を見いだすことが大切である。
※ジレンマ資料・・・基本的には,2つ以上の価値の間で生じる行為をめぐる葛藤を
盛り込み答えのない話(資料)。
コールバーク理論に関して詳しく勉強されたい方は,
日本におけるコールバーク理論の第一人者であられる荒木紀幸先生(兵庫教育大
学教授)は多くの著書を出されてる。荒木先生の本を読むことをお勧めする。

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