道徳ミニ講座

[ネタから資料へ]
                         
 道徳で使いたい(使えそうな)ネタがあったても,教師がそのネタをきちんと創意工夫して取り扱わないと,
資料にまで至らない。
 そのネタに含まれているエッセンスを教師がどの様に取り出し,味付けするかにより,はじめてそのネタが
資料へと変わっていくのである。しかし,そのネタに非常に力がある場合は,教師の創作力があまりなくても,
子供たちの心に響かせる資料と成りうる。
 簡単に説明すると,私は,魚の中で鯛よりアジが好きである。あじは,刺身にして良し,にて良し,焼いて良し,
あげて良し,いうことない魚である。アジ独自の味を味わうならば,なんといっても刺身である。調理しなくてそれ
だけでおいしいのである。
 しかし,最低限の調理として,刺身を食べる際,お醤油をつける。教師も最低限そのお醤油ぐらいの味付け
ができる力を持っていなければならない。お醤油の代わりに,砂糖などつけて食べてもおいしいとはいえない。
教師間違っても,大切なネタを壊すような手だてを取ってはいけない。そのためには、そのネタをよく分析すること
が大切である。
  私の著書『今を生きる人々に学ぶ』では,一枚の写真からいろいろ展開をしている。例えば,『今を生きる人
々に学ぶ』の中の「命を大切に」で使わさせていただいている写真について,少し説明する。その写真は,年老
いた母親が自分の娘(脳性麻痺の方)の介護をしている様子である。しかし,その写真には,秘密がある。
その年老いた母親は,自分がガンにかかっている。自分が入院する朝までわが娘の介護をしているのである。
私はその写真と説明を見たとき、ボロボロ泣いてしまった。
それだけ、その写真には人に訴える要素がある。
「メタから資料へ」の具体的な実践例は、機会を見つけてこの講座に掲載する予定だある。
次回は、「ネタの集め方」について掲載する。
ご期待ください。
 
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