炎症性腸疾患における血液検査について


炎症状態をはかるもの
  CRP(C反応性たんぱく) 急性の炎症や組織の崩壊が起こると血清中に出現するたんぱく質
炎症の程度を反映し、重症度の評価に使用される。
  白血球数 体内にウイルスや異物が侵入すると増加する。
炎症反応のマーカーとして使用され、基準値を上回るほど炎症反応は強く、重症度判定に用いられる。
  血沈値 血液に抗凝固剤を加えて放置したときの赤血球の沈降速度。炎症が存在すると上昇する。(炎症以外の状態に左右されやすい。)
血小板 傷があると栓を形成し、止血作用を示す。血液細胞の一種。
炎症があると上昇するが、例外もあり。
貧血度をはかるもの(※出血があると貧血になりやすい)
  赤血球数 体細胞へ酸素を運ぶ赤血球の数。
貧血の程度に応じて低い値を示す。
重症度判定に使用される。
  ヘモグロビン値 赤血球に含まれている血色素の量。
低値は貧血と解釈され、鉄欠乏性貧血と判断される。
  ヘマトクリット 一定の容積の血液に含まれている赤血球の割合。
貧血の指標に用いられる。
  血清鉄 血液中の鉄の量。
栄養状態をはかるもの
  血清総たんぱく質 血液中のたんぱく質の量
低いほど栄養状態不良と判断される。
  血清アルブミン 肝臓で合成されるアルブミンの量、栄養源や血液中の物質を運搬する役割があるたんぱく質。
低いと栄養状態不良と判断される。
  総コレステロール コレステロール(ホルモン等の原料、体には不可欠)の総量。
低いと栄養状態不良と判断される。
肝機能をみるためのもの(肝機能の低下の他、薬剤の副作用で上昇することもある)
GOT、GPT アミノ酸を代謝する酵素。肝臓が壊れると上昇する。
肝機能の指標となる。
ALP、γ−GTP 肝臓で作られる胆汁の通り道である、胆道に障害があると上昇する。
膵機能をみるためのもの
アミラーゼ すい臓で合成される消化酵素のひとつ。
すい炎があると上昇する。
薬剤の副作用ですい炎が出やすいので重要

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