はじめの一歩
(講談社・週間少年マガジン)

さて、90年代を代表するボクシングマンガといえばこの「はじめの一歩」で決まりでしょう。
確かな画力で描かれるボクシングシーンは迫力タップリ。ボクシングもよく取材してありまして、学研マンガのように読むだけでボクシングの知識が見る見る吸収できます。ボクサーの心理面も、「きっと本当にこんな感じなんだろうなぁ」というほど説得力タップリです。

主人公の一歩は気の弱いイジメられっ子。その彼が「強いって何ですか?」という疑問を解くためにボクシングを始め、ひたむきに成長していく物語です。
「あしたのジョー」がボクシングの激しい「闘争」の部分を描いたとするなら、「一歩」はボクシングの中にある「喜び」を描こうとするマンガではないでしょうか。試合後の二人の顔を見れば、その違いが何となく解るような気がします。
努力して、今まで出来なかったことが出来るようになる。目標にたどり着く。その充実感、嬉しさを描く。今ではめっきり見られなくなった、「読む人を惹きつけることが出来る」由緒正しいスポーツ漫画。

単行本とは別にマガジン本誌と同じサイズで総集編も出ているのですが、こちらの方には芸術的なカウンターで一時代を築いた(宮田一郎のモデルか?)元日本チャンピオン・高橋ナオト氏(現JBスポーツジム会長)や、近頃劇的な王座返り咲きを果たした辰吉丈一郎選手の奥さん、るみ夫人のコラムなども載っており、ボクシング界との親交の深さが感じられます。
総集編の最後には「宮田のボディは辰吉選手の試合から・・・」とか、「ドラゴンフィッシュブローはハーンズの試合でみて・・・」とか、そういった元ネタが書いてあり、それを当てるのも読者の楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

現在、マガジンの方では鷹村の世界戦。僕は鷹村がKOで勝つと予想します。
名前が「守」ですから。チャンピオンになって王座を守る、という引っかけではないかと。
引っかけついでに相手のブライアン・ホーク、「鷹」で引っかけてるんでしょうか?彼のモデルは「型にはまらない」というところでちょっとハメドに似てるんじゃ・・・なんて思ったりしてるのですが。

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