私たちは化石を通じて搭乗員「生物」の長い歴史を垣間見ることができます化石は身近な自然がいかにして形づくられてきたかの手がかりを与えてくれる。山野で見つけた化石から身の回りのさまざまな生物たちの進化の歩みを少しだけ感じとってみたい









化石は美しい。 どうしてだろう。
今から1億5千万年前大地の奥のある河原で、1匹の魚がその生命を終えました。
やがて魚の遺骸は朽ちてゆき、河原の砂に埋もれていきます。
はるかな時を越えて現代その大地は、今は南九州のある村の河原の岩になっていました。
ジュラ紀の魚は、日本の少年の目にとまったのです。
時間と空間を越えた出逢いです。


鹿児島県
坊津車岳の化石
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鹿児島県枕崎市から、坊津に向かう県道沿いの右土手に、海抜300メートルほどの車岳が見える。
たたら迫の村から、林道に入り、15分ほど走って岬を越え左手に、丸木浜海岸を見ながら、ほんの1−2分走ったあたりの右の土手に、地層のはっきり見える場所がある。
この地層の1部から、かなり多量の葉っぱの化石が出るところがある。を保存状態はまずまず剥離しやすい。基岩は黄土色の砂岩で葉っぱの化石の部分が黒褐色をしている。剥離した直後は、ラインがはっきりして美しいが、しばらくして乾いてしまうと、不明瞭となってしまうのは残念である。
ハンノキの実のようなものや、カエデ、キンギョモ、などのようなものも時々見つかることがある。また化石に混じって、直径3ミリから1センチぐらいの球形のノジュールが、ぽつぽつと入ってることが多い。
このモジュールを取り出して磨いてみると、金属質に光沢がでて美しい。
1年ほど前に、10メートルほどよこのがけが崩れてコンクリートで固められてしまったことがあったがをこの致傷も、いつコンクリートの壁になってしまうか分かったものではない。そう思うと今のうちに標本を作っておきたいものです。



鹿児島県
頴娃町番所鼻
の化石
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鹿児島県の南薩摩半島で最も美しい展望で有名な番所海岸、この海岸の海に面した赤土の土手の1部に、地層がはっきり見えるところがある。黄色っぽい粘土質のギョウカイ岩の1部から見事に美しい赤い葉っぱの化石が見つかる。基岩の黄色と朱色のコントラストが美しい。これほどまで赤っぽい化石は他にみたことがない。葉っぱのほかに家の枝やどんぐりらしい木の実や、チューブ状の生痕化石もよく見られる。



鹿児島県
薩摩町永野
白仁田の化石
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鹿児島県薩摩町高木の村の墓地の横の下り坂を下ると、左右の粘土の土手のところに、地層がはっきり見えるところがある。ここでは黄色の粘土質の基岩に黒褐色の葉っぱの化石が大量に出てくる。それこそボロボロとでてくる感じ、基岩が柔らかいためすぐに割れてしまい、完全体がほとんど取れないのは残念である。葉っぱ以外によく探せば、木の実やメタセコイヤの珍しい葉っぱも時々出てくる。また葉っぱの種類が非常に多いのも楽しい。



鹿児島県
笠沙町野間池
の化石
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鹿児島県川辺郡笠沙町の野間池の北側海岸には、鹿児島県では少ない。中生代ジュラ紀の地層が見られる場所がある。港から山を越えて、丸いゴザ石の美しい海岸に出る。このゴザ石の中に基岩の黒褐色の石灰岩が、顔出してるところがある。この岩をよく見ると、枝サンゴや二枚貝や、なんだかよくわからないが複雑な模様が石灰岩の上に浮き立っている。。これらは、なんとあのジュラシック・パークのジュラ紀地層であるらしい。つまり恐竜と同じ時代に存在したサンゴや貝である。よく探せば、恐竜の骨もあるかもしれないそんなロマンのある場所である。



鹿児島県
獅子島の化石
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鹿児島県の北の離島、獅子島、この島ほど鹿児島の化石マニアの心を刺激する所はない。鹿児島県では唯一アンモナイトが産出し、地層は中生代白亜紀で本格的に恐竜の可能性もある場所だといえる。
しかもここの化石は、頁岩のノジュールからも出ることがあり、マニアにとってはうれしい限りである。アンモナイト ノジュール、中生代、この3つの言葉がそろうとどんな高級な料理より魅力的に見えてしまうから不思議だ。柏栗の海岸では、海岸の足元の岩がすべての化石という古代の落書きに埋め尽くされている。どこを削ってみても必ず何かが顔を出すという始末である。「最上左写真」
立石林道の途中の土手には、けつ岩のノジュールが崩れて、道路に転がってきているところがあり、このノジュールの中からまれに腕足類の貝殻が出ることがある。このあたりはイノセラム、トリゴニア、オウムガイ、セリシウム、などや時にアンモナイトも見つかることがある。




鹿児島県
東郷町荒川内
の化石
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鹿児島県東郷町荒川内の川沿いの土手に見事な地層が露出しているところがある。の実をハネ返すようなかなり硬い黄土色の砂岩の基岩に、まるで今埋めたような保存状態の素晴らしい、黄色に照り輝く美しい葉っぱの化石が見つかる。私はこんな保存状態の良い葉っぱの化石を他にみたことがない。しかし岩が硬いうえに化石との剥離状態が悪く、なかなか完全な形で取り出すことはできない。




鹿児島県
樋脇町藤本
の化石
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鹿児島県樋脇町藤本にプランクトンによってできたといわれるケイソウ土を採集している場所が数カ所ある。ケイソウ土はクリーム色で柔らかくまるでバウムクーヘン「右上写真」のように薄い地層になって積み上がっている、ここでの化石採集はハンマーは必要なくヘラのようなものを使いバウムクーヘンを薄く薄く剥いでいくカエデやメタセコイアや木の実や時々5センチほどのハゼらしい魚の化石も出てくることがある。魚のひれや背骨、頭の形がはっきりわかる。そんな中でまれにノジュールが見つかることがある。そしてさらにまれに8センチぐらいのカエルの化石が見つかることもある。カエルの化石は他の産地でもなかなか出るものではないのでかなり貴重なものだと思う。




鹿児島県
吉田町西中貝層
の化石
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鹿児島県吉田町西中には、まるで貝殻の砂浜がそのまま化石になってしまったようなところがある。10メートル以上超える貝殻の崖をよく見ると貝殻のパーツが無数に埋まっているのがわかる。時々完全なフジツボや二枚貝や少し欠けたカキやウニなど何が何だかわからない状態になっている。しかしなかなか完全体がないのが難点といえるがよく探せばサメの歯も見つかるらしい。




鹿児島県
加治木町西雛場
の化石
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鹿児島県加治木町西雛場を流れる川の南側に20メートルを超えるほどの大きな崖になっているところがある。村の裏の畑からこの川を歩いて渡り、がけの真下に来ると崩れ落ちた灰青色のケイソウ土の塊の中に真っ黒の葉っぱの形やすすきの形をした化石が埋まっているのが分かる。葉っぱの数は多いが基岩が湿っているため保存状態が非常に悪く、ぽろぽろと崩れてしまう。葉っぱに混じってゴヨウマツやキンギョモなどが時たま見られる。




鹿児島県
加治木町上木田
木小脇の化石
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鹿児島県加治木町上木田の林道沿いのがけの黄色い粘土層のところから、多量の葉っぱの化石が産出するところがある。葉っぱの種類はあまり多くなく、基岩も粘土質で柔らかいために崩れやすく、なかなか完全品はとらないし、しかも白クマの輪郭があまりはっきりせずインパクトはない。しかし面白いことにここの化石は化石の部分が一見ピンク色に光って見える。こんな不思議な色の化石は他にみたことがない。




熊本県
御舟町朝藪の化石
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熊本県御船町朝藪の村の近くの林道の竹林を流れる小さな渓流がある。その渓流の回りの山肌や渓流の中に転がる転石の中に時々貝殻の化石を大量に含んだ赤っぽい岩がぽつぽつと見られる。中には基岩がわからないほど、緻密に二枚貝を含んだものもある、探せばもっといろんなものが見つかりそうだが非常に足元が悪いため探しにくいのが難点だ。




鹿児島県
種子島犬城海岸
の化石
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鹿児島県種子島の南東側に犬城海岸というところある。ここの海岸にそびえる10メートル以上のがけには青灰色から黄土色のけつ岩や砂岩で構成されていてそのがけの下の波ぎわには大量のくずれた岩が転がっている。本当に素晴らしい眺めの、美しい海岸で散歩だけでも楽しい。この辺の崖は大概こんな感じで黒い頁岩と灰色の砂岩で出来ています。






鹿児島県
種子島島間海岸
の化石
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鹿児島県
種子島住吉形之山
の化石

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