稲尾岳の自然

大隅半島「肝属山地」で最も南に位置している1000m級の山である「稲尾岳」、南側に太平洋を望み、
南島からの暖かい海流と気流に包まれ、年間を通して温暖で、山頂から南斜面にだけにかろうじて残された
原生の森は、まるで奄美大島のような熱帯の雰囲気が漂う。この原生林には北限の本土ヘゴが
今でも自生しており、「稲尾」の名を持つ生物の固有種や亜種も多い。
ぶち柄とは思えない変わった模様の「サンショウウオ」や、昆虫たち、この原生林からは、まだまだ新種が
発見されることでしょう。そして秋の山頂は、ヤマボウシの熟した赤い実で埋め尽くされていました。

稲尾岳の登山口でいつも出迎えてくれる
キタテハ、4月には日本最南端の
コツバメも見られる。
登山道はこのきれいな渓流と共
に遡上します。