粒露
薩摩酒造(株) 枕崎市立神本町26
ゲットした日:平成12年5月21日
私の親戚のご主人が薩摩酒造の明治蔵の館長をやっている。その方は全くの下戸で焼酎は飲めないのだが、利き酒はするらしい。最初は変わった人と思っていたが、最近では繊細な味まで嗅ぎ分けられる人と尊敬するようになった。
私みたいなノンベーだとどんな焼酎でも旨く感じ、利き酒でも飲み干して酔っぱらってしまい、繊細な味の見極めという点では全くの役立たずなのであろう。
その方から父に頂いた焼酎「粒露」を失敬してきた。
「粒露」は、鹿児島県では「綾小路絹麻呂様・・・」なんて言うCMで、鹿児島県人には比較的なじみのある焼酎である。薩摩酒造が「さつま白波」と並んで主力商品とすべく、黒麹を使い、なおかつ芋臭さを無くするために、貯蔵の段階に絹袋で「個性の強い部分を濾し出した」ものであるらしい。 すなわち芋焼酎の味わいはそのままに、薫りを押さえた焼酎と言えるのかも知れない。
実際に生で飲んでみても味わいは芋焼酎そのものなのだが、さほど薫りは強くなく、辛みの混じった舌触りもないので、ウイスキーが飲める人なら十分飲めるような気がする。
次に、オンザロックで飲んでみてびっくりしたのだが、芋焼酎の甘味がグンと引き立ってなおかつ爽やかな味わいなのである。クセを殆ど感じないのである。それでいて、麦などとは全く違う芋の個性を十分に主張している。
これをお湯割りにすると、まろやかな芋焼酎の甘味がグンと引き立つ。少々軽快すぎる感はあるが、味わいは芋そのものである。
総体的に芋焼酎の味わいを前面に出しながらも、滑らかで軽快な出来に仕上がっており、これから芋焼酎を飲む人にも十分に受け入れられる新しいタイプの焼酎との印象を得た。