さつま白波黒麹仕込み 

                        
 薩摩酒造(株)      枕崎市立神本町26
    Tel    0993−72−1231
      ゲットした日 : 平成14年4月21日
                     

さつま白波黒麹仕込み    
  平成14年4月、薩摩酒造が満を持して「さつま白波黒麹仕込み」を世に出した。
我々焼酎飲んごろの間ではセンセーショナルな出来事で、秘剣師は早速この焼酎を紹介されている。 小生のいいかげんな駄文と全く異り、格調高く感性に溢れる名文で酎飲後感を謳い上げており、焼酎ファンならずとも必見である。(本格焼酎寸言はこちら→
  「黒伊佐錦」の大ヒット後、各社こぞって主要銘柄に「黒○○」と黒麹仕込みバージョンを投入し販売量を上げる中、薩摩のフラッグシップ焼酎「さつま白波」はあくまでも薩摩本流の白麹仕込みに拘っているように見受けられた。 確かに黒麹仕込みの「粒露」を発売はしたが、薩摩ジゴロの焼酎嗜好は飲み応えのある白麹仕込みとの揺るぎない信念を堅持しているように感じていた。 しかしながら、失地回復及び鹿児島県内外の飲酎人口の拡大に伴う飲み方の多様化等時代の流れには抗し切れなかったということであろうか。 
  6月9日行われた「蔵元さんと薩摩地焼酎を語る会」で薩摩酒造花渡川工場長の松下氏及び同研修所室長米元氏にお会いし、この焼酎の売れ行きをお聞きしたところ、順調とのことで大いに喜び合った。 加世田市津貫をルーツとする薩摩酒造及び本坊酒造には特別の思い入れがあり、今後も鹿児島県の焼酎業界を牽引していって欲しいと願わずにはいられない。 店頭に並ぶこの焼酎を見る度に「黒○佐○に勝てよ!」と呟いている。 色々とご批判もあるでしょうが、まあ小生にとっては愚息と同じようなものなんですな・・・。(^_^;)

  ラベルは黒地に金色の文字描画で、丁度「さつま白波」をネガポジ反転したようである。 「焼酎こだわり読本」という小冊子が付属し、黒瀬杜氏の事、麹の事、お湯割りの飲み方などが記載され、今まで焼酎未開拓の人でも、親しみが持てそうな配慮が行き届いている。 また裏ラベルにはこの焼酎のセールスポイントが記述され、蔵元の並々ならぬ意欲が伺われる。 アルコール度数25度。 一升瓶の他に5合瓶があるかは不明だが、料飲店市場に殴り込みをかけるのだったら必須でしょうね。(^_^;)
(アップ後、田渕酒店のご主人より「1.8L、900mL(瓶・パック)、720mLの5アイテムがある。」と教えて頂きました。)
  生で飲んでみた。 爽やかな香りと黒麹特有の濃醇なコクが口の中を駆けめぐり、後味にも余韻がある。
  ロックにすると甘さ清涼感が際立ち、普通の「さつま白波」とは全く異なる飲み易さ味わい深さがある。 
  5:5程度に割り水したものを燗付けすると、一変して「さつま白波」を彷彿させる重厚で力強い味わいである。 ふくよかさも申し分なく、後味にホンワリとした甘味が引き立ち実に旨い。
  
  やはり薩摩酒造の大量致酔性最終兵器だけあって、根底に「さつま白波」のアイディンティティーを堅持しつつ、全く新しい表情を発揮している逸品である。
  お薦めの飲み方は?と聞かれても激しく困惑してしまう。 どの様な飲み方でもハッキリ言って旨過ぎる! 多面体に情動を反射し、しっかりと受け止めてくれる焼酎と言えようか。 その時の心の赴くままに気楽に楽しんで欲しい焼酎である。(^_^;)
  
                        平成14年6月30日記載