さつまおごじょ 

                        
 山元酒造(株)      川内市五代町2725
                   Tel  0996−25−2424
      ゲットした日 : 平成15年2月8日
                     

さつまおごじょ  久しぶりに産業道路沿いのコセド酒店を訪ねてみた。 社長の小瀬戸祐二さんとも色々お話しをして、お薦め銘柄もとことん試飲をし、陳列棚に溢れる1升瓶が融け出す程眼光鋭く鑑賞したのだが、何故かしら食指を動かされるのはレギュラー銘柄になってしまう。 そして吸い寄せられるように手にしたのがこの「さつまおごじょ」である。

  山元酒造のHPによると「さつまおごじょ」黒麹を使い、カメに仕込み、昔ながらの手造りにこだわった焼酎である。 恐らく同社の手造り工房にて木桶蒸留で産出された製品と思われる。

  薩摩おごじょ(娘)と聞くと清楚で優しいとの印象を受けるかも知れないが、我々薩摩人の印象はちと異なるのですな。 まず第一に強烈に保守的な倫理観を持っていますね。 特に教育面に顕著に現れます。 愚生も女子より下位の成績を取ろう物なら、今は亡き母に激しく叱責された物です。(^_^;) もっとも愚息の凡庸さを思い知らされてからはさ程でもなかったようですが、子供心には男女同権の世の中なのにと、理不尽に思ったものです。(^^ゞ)
  もちろん青少年の男女交際など厳禁と言うか、女の子と親しげに語るなど、軽薄と指弾されそうで、とても出来ませんでした。(-ー;) そのことがトラウマとして残り、今でも女性と会話するのは苦手ですなぁ。(^^ゞ)

  第二に勇ましく強いのが好きですな。 ひっかぶい(臆病者)は嘲笑の対象でしかなく、男より武と義を尊んでいるのではと恐れる程です。 薩摩ではご婦人方の眼鏡にかなうにはかなり無理をしないといけませんね。(^_^;) で、愚生のような腰抜けは、勢い女性には無関心を装うと・・・。(^^ゞ)
  総じて堅実で外柔内剛、一見亭主関白に見せかけて、その実、一家の実権掌握の如き狡猾さを会得しているのが、薩摩おごじょと言えるでしょうか。(^_^;)

  白地のラベル中央には「黒こうじ手造り」と大きく墨書され、昔ながらの手造り蔵で焼酎造りに励む蔵子の様子が墨彩されている。素朴でなかなか良い味が出ている。肩ラベルの「黒」の墨書もインパクトがある。 アルコール度数25度。 アルコール度数32度の「蔵出し原酒」もある。

  生で飲んでみた。馥郁たる香りが立ち昇る。重厚感のある深遠なコク。奥に垣間見せる甘味も上品で飲み応えがある。
  ロックにするとやや苦みが強調されるようである。
  お湯割りにすると、蕾から一瞬にパアッ〜と花が開いたような華やな味わいに変身する。 まさしくどっしりとした芋焼酎の存在感の周りで甘さ、辛さ、ふくよかさ、さらに柔らかさなど多様な味わいが万華鏡像のように踊っている。

  伝統的で飲み応えのある味わいは、まさしくネイティブ薩摩人がおごじょに対して持つ畏敬の念を、忠実に具現したかのようである。 このこだわりと秀逸な品質で一般レギュラー酒並の価格! 薩摩焼酎は奥が深いですよ!(^^) お薦めの飲み方は迷わずお湯割り系統と答えよう。

                  平成15年3月12日記載