薩摩の誉(新) 

                        
(有)大山甚七商店   指宿市西方4657
Tel  0993−25−2410
      ゲットした日 : 平成17年5月4日
                     

薩摩の誉(新)  
  かつて焼酎厳冬期真っ只中、販売量減少のため他酒造所に製造委託を余儀なくされていた多数の蔵元が、ここ数年の焼酎復権で出荷量も伸び、それまでそっぽを向いていた金融機関の後押しもあり、蔵再興を果たしている。 (有)大山甚七商店もその一つで、昨年より一次二次とも甕仕込みで製造を始めた。再興蔵の初出荷は今年の春と聞いた。
  ゴールデンウィーク期間中吹上浜サンドフェスティバルで賑わう海浜公園付近には目も向けずに、マルダイ酒店を覗いたところ、「新焼酎」と朱書されたレッテルに釘付けになり、焼酎ファンとして蔵再興を喜びたいためにゲットした。(^_^;)

  茶色のグラデーション鮮やかなラベル中央に銘柄名の「」が力強く墨書され、旧ラベルのイメージを引き継いでいる。(旧ラベルはこちら→) 白麹仕込み。黒麹仕込みの製品もラインアップしている。一次二次ともかめ壺仕込み。アルコール度数25度。一升瓶の他にも5合瓶もあるはず。 

  生で飲んでみた。抑制されてはいるが華やかな薫りが漂う。口に含むとまず甘味が屹立し、後口として辛味が引き立ってくるようである。
  ロックにすると、すっきりと飲み易くはなるのだが、舌に乗って滑り落ちるときには厚みのある辛口に感じる。
  お湯割りにすると、芳醇な薫りが立ち登り、甘味と辛味と言った所謂芋焼酎のエッセンスが渾然一体となり旨さへと昇華していく。一口では解析しがたいのである。

  最近の再興蔵の大半がかめ壺仕込みに拘るため製造コストが高騰するのだろうか、価格が一升瓶でほぼ2,500円以上と高めに設定されている製品が多い。 しかしながらこの焼酎は一升瓶の価格がなんと1,869円と極めてリーズナブルであり、かえって我々飲んべえの方が借金返済大丈夫かと心配する程である。(^_^;)
  値段は抑制されても焼酎の出来は決して貧弱などではない。 流行の綺麗な味ではないが、若かりし頃初めて飲んだ焼酎のように無骨で剛直、飾らない辛口の逸品である。 伝統的なお湯割りを念頭に置いた焼酎の王道を歩む造りと感じた。 お勧めの飲み方は言わずもがなであろう。(^_^;)

 
              平成17年9月28日記載