(株)尾込商店      川辺郡川辺町平山6855
                   Tel  0993−56−0075
      ゲットした日 : 平成15年3月6日
                     

桜
  薩摩のトレンドはどちらかと言うとすっきり味の飲み易い焼酎なのだが、都会では昔ながらの辛口濃い味をした所謂地焼酎がもてはやされ、すでに原酒切れを来した蔵もあるらしく、嗜好の異なる地元民を驚愕させている。(^_^;) 尾込商店の製品も人気急上昇中で、地元の酒屋は品薄状態の到来に戦々恐々としているらしい。(-ー;) 

  前年秋醸した黒麹仕込みの原酒を冬の間貯蔵して、3月1日を待って発売したのが「桜」で、いわば半年遅れの新酒と言え、「旬」同様季節感溢れる製品である。
  この焼酎は、年2度の加世田巡礼を欠かさない求酎者新生命体Ryoさんが、お布施としてマルダイ酒店を通じてご恵送下さった物である。感謝!

  ラベルには一文字だけの銘柄名が力感溢れる筆致で墨書されており、蔵元の製品にたいする思い入れが伝わってくるようである。アルコール度数は25度。現在は一升瓶だけの販売らしい。

  生で飲んでみた。存在感のある芳香が鼻腔をくすぐる。濃厚で腰の強い旨味が舌に浸み込み咽頭部で蒸散し、辛口の中に甘さの気化熱を感じる。まるで原酒と錯覚しそうな濃醇重厚さなのである。後味の充実感は言うまでもない。
  ロックにすると、清冽な甘味が優しい。
  あらかじめ5:5程度に割り水したものを燗付けすると、華やいだ味わいがより一層引き立つ。燗冷め甘さも煌めいているようで、まこてよか。

  発売後3ヶ月を経過して味が若干落ち着いたせいかもしれないが、新酒の荒々しさは全く影を潜め、朴訥な剛直さと華やかさが同居したような充実感に満ちた味わいである。濃醇で芋焼酎のエッセンスがすべて凝縮した逸品と言えよう。
  お勧めの飲み方はやはりお湯割り系統を一押しとしたい。


          平成15年6月18日記載