黒吉 

                        
(有)白石酒造     日置郡市来町湊町3138
Tel  0996−36−2058
ゲットした日 : 平成14年5月12日
                     

黒米黒麹一次仕込み    
  田渕酒店で弾薬補給し、Aptiva邸奇襲攻撃の件は「鬼火」で触れたが、その時成就の褒美として購入したのがこの「黒吉」である。 実は昨年秋白石酒造を訪問した際(その時の様子はこちら)、他の黒麹より一際黒い甕に気付き非常に気になっていたのだが、それがこの「黒吉」の一次仕込み甕であった。(

黒吉  麹米に古代米である黒米を使用し、麹も黒麹で、一次二次ともかめ壺で仕込んでいる。 黒米はタンパク質、ビタミン類及びCa・Mg等を多く含んでおり、栄養価が高く、おはぎの原型として古代よりお祝いの米として珍重されてきたらしい。 しかし、収穫性が悪いため現在では余り栽培されていないのが実情で、その為価格は目を剥くぐらい高い。 小生が牧園町の農産物加工品売り場で購入したときは確か500gで500円だったように記憶している。 ネット上の販売では500gで900円となっており、最上級コシヒカリの約4倍の価格が付いている。(・_・)
  同じように麹米に古代米を使った焼酎に「宝満」「紅子の歌」があり、今まで破砕米や外米利用が主で、余り顧みられなかった麹米にも新しい焼酎造りの潮流が湧き起こっているのであろう。

  ラベルは黒地に灰色で銘柄名が墨書され、製造データが記載されている裏ラベルを見ると、焼酎文化芋づるの会のPBの証である武岡酒店の記載があり、同じPBの「影法師」にどことなく似た雰囲気があるのも納得出来る。 和紙包装と首に架けられたリボンで高級感を演出している。 アルコール度数25度。 一升瓶以外に四合瓶もある。

  飲んでみた。 優しい芳香が立ち上る。 口に含んだ瞬間柔らかい甘味がほとばしる。 白石酒造の蔵の味が如実に噴出したふくよかで柔らかい味わいである。 コク及び奥行きともまことに申し分なく、後味に残響する余韻も素晴らしい。 ロックや燗付けにしても、生で感じた味わいはいささかも損なわれず、飲めば飲む程旨味が幾何級数的に膨らみ、酔心を夢幻界に引き込む魔性の如き旨さである。 お薦めの飲み方はと問われても困惑この上ない。 どの様な飲み方でも秀逸なのである。 ご自分の好みのスタイルでじっくりと味わって欲しい。

  田崎ソムリエのような方だと、黒米の効果を明解に表現してくれるのだろうが、小生の愚鈍な舌と稚拙な表現力ではアドバンテージを云々出来ないのが悲しい。(-ー;) ただ何となくではあるが、同じ白石酒造黒麹仕込みの「影法師」に較べると、より一層奥行きを感じる味わいになっているような気がするのだが・・・。
  黒米麹の挑戦は始まったばかりであり、これからこの焼酎はもっともっと進化して行き、個性的旨さをさらにさらに発揮することだろう。 「黒吉」の今後に目が離せない。(^_^;)

                      平成14年7月20日記載