黒粋華奴 

                        
 太久保酒造(株)   曽於郡大崎町横瀬1252−2
Tel  0994−76−3666
      ゲットした日 : 平成15年6月1日
                     

黒粋華奴  太久保酒造のある焼酎所大崎町に住み同級生M君は、入手困難な所謂まぼろし系の焼酎に対する嗅覚に優れ、同窓会の折りなど垂涎の品を披露し、同級生からの人気信頼絶大を誇っている。(^_^;) 先日の同窓会酎の時にも大隅半島土産のリクエストを受け付けていたが、「地の焼酎でよかよ〜。(*^_^*)」と明るく答えると、「こっちんとは評判があんまいよかなかでね〜。(-ー;)」との心外な発言。 何処でも全国的に名前の売れない地元製品はワンランクもツーランクも下に見られるらしい。 地焼酎の完璧なる復権を願う愚生としては厳しい現実を突きつけられ、道未だ遠きを知った。

  この焼酎も東市来町山里散策の際田渕酒店で購入した物である。中薩部山間の酒屋に大隅半島大崎町の焼酎が何故に・・・(-_-?)、と訝しがりたくなるが、店主の県下全土それぞれの地焼酎文化に対する敬意の表れであろう。

  銘柄名からも黒麹造りと容易に判別できるが、他の同種焼酎と比べ、「黒粋」というのが何とも秀逸である。やはり1994年という比較的早期に黒麹造りの製品を送り出した蔵元の先見の明でありアドバンテージだろう。
裏ラベルには「かめ仕込み」製法で造り上げ、島津公後光越の際献上された志布志城山の下岩穴より湧き出る銘水大守公「御前の水」で割り水している。アルコール度数は25度。一升瓶の他に五合瓶もあるはず。

  生で飲んでみた。えもいわれぬ芳香が立ち登る中、口に含んだ液体は柔らかくまさしく甘露の如く甘いが、口中に充満する頃には濃く粘りのある深い味わいに変貌する。 後味の残響もまことに素晴らしい。
  ロックにすると、和水による劣化は殆ど感じられず、冷却の影響か濃厚な甘さが引き立ち、何時までも飲んでいられそうである。(^_^;) 
  あらかじめ5:5程度に割り水したものを燗付けすると、伸びやかでコク深い味わいが前面に出てくる。割ってあるにも拘わらず味が濃いのである。ふくよかさも申し分なく、奥に垣間見せる辛さも堪えられない。

  丁寧な造りが醸し出す濃醇と多面的味わいは、焼酎ファンならずとも、思わず唸ってしまう出来映えではなかろうか。 特にお湯割りで強調される重厚さに薩摩焼酎の神髄を見たような気がした。もっともっと地元で評価されて欲しいと切に願う。 どのような飲み方をしても秀逸であるが、夏場はロックを一押しとしておこう。(^^ゞ


                   平成15年9月19日記載