子鹿 

                        
子鹿酒造協業組合   肝属郡吾平町上名7312
Tel  0994−58−7171
ゲットした日 : 平成13年12月28日
                     

  
子鹿
  昭和59年4月、Uターンの願い叶い意気揚々と鹿児島の地に舞い戻った小生が、「さつま白波」以外で始めて口にした焼酎がこの「子鹿」だった。 若干白い澱が認められ、甘く重厚な味わいで「こんたうんまか!」と思ったのを記憶している。 
  その当時は特別銘柄を意識することもなく、出された焼酎をコマゴッ(不平不満)も言わずに美味しく飲んでいた。 ただ、一番の嗜好は日本酒であり、焼酎は宴席の時か父親とのダイヤメ程度にしか飲まなかったように記憶している。 日本酒地酒の品揃え豊富なコセド酒店に出入りするようになったのもその頃からである。 しかし、日本酒と焼酎の飲酎比率が逆転するのにさほど年月は要せず、今でも日本酒は美味しいとは思うが、1合も飲めなくなってしまった・・・。 人間変われば変わる物である。(^_^;) これも薩摩の風土とネイティブ薩摩人の嵯峨がなせる業であろうか?(^^ゞ)

  この焼酎はAptiva野郎さんがお知り合いから頂いた3本括りの1本らしく、年末にご持参下さった。 ラベルは昔から変わっていないようである。 ラベルを凝視観察しても銘柄名の鹿は見当たらない。 その代わり、紅葉が彩りを添えている。 鹿と紅葉・・・?花札繋がりだろうか・・・?(^_^;)  ラベルの詰め口日は97.11.4となっており、4年以上瓶内熟成されていたことになる。

  生で飲んでみた。 柔らかい薫りが引き立つ。 適度な甘さ、芋らしい重厚さと奥行きの中に熟成したようなまろやかさを感じる。 このままでゴイゴイ行きそうになる。
  ロックにすると、溶けだした水と旨味成分が瞬時に馴染み、生の味わいがそのまま冷やされ、爽快で飲み易い。 さらにゴイゴイ際限なく飲めそうである。(^_^;)
  燗付けにすると、甘味が引き立ち、ふくよかで柔らかい味わいになる。 深み奥行き共に申し分なくシミジミと旨いと感じる。 まろやか、ふくよかと芋焼酎の美点を全て体現しているような味わいである。 
 
  元来は南大隅で親しまれているダイヤメ焼酎として、主にお湯割りで旨みが一番出るように仕込まれたのかも知れないが、長期熟成で丸くなった味わいは、どの様な飲み方でも柔和に対応して甚だ美味である。 このような焼酎こそじっくりゆっくりと飲みたいものだが・・・もう、残り2合程になってしまった。(^^ゞ)

                         平成14年2月5日記載