子鹿本にごり
   小鹿酒造協業組合   肝属郡吾平町上名7312 Tel 0994-58-7171
   ゲットした日   平成13年1月13日


  愚息達がお年玉で父ちゃんに焼酎を買ってやると意気込んでいる。
いくら患者が少なくて落ちぶれた歯医者と言えども、自分で飲む焼酎ぐらいは自分で買う、といくら言い聞かせても、小学生の愚息達はなかなか納得しない。 子供の目には貧乏父さんでかなり惨めに映るらしい。 何か漫画で出て来る浮浪者風のアル中に思っていないか?父のこと・・・。 まあ、あまり大差はないのだが、一応勤労中年を自負する手前どうも納得がいかない。 しかし、子供に無駄使いをさせるぐらいなら、不本意ながら焼酎をプレゼントして貰い、悪い遊びに使う金を出来るだけ減らそうと考えた。
  谷山産業道路沿いのダイエー酒コーナーに行き、あれこれ悩んで選んだのが「子鹿本にごり」である。 レギュラーの「子鹿」にするか、迷いに迷ったのだが、「昔なつかしい」と言うコピーに陥落されてしまった。
  昔の焼酎は少々白く濁っているというか、澱が必ずあったのである。
「子鹿」は15年ほど前私が鹿児島に帰ってきて初めて飲んだ頃は、白い澱が残っていた。現在は紫外線による品質劣化を防ぐため褐色ないし有色の一升瓶に納められているため、焼酎の濁りは判然としない。
  以前味わった本格的な芋焼酎の個性を期待してこの「ほんにごり」を選んだ。
  コップに移してみると殆ど澱は見られない。 やはり蒸留に気を遣い、また濾過もしているのであろう。
  薫りは想像に反してあまり芋が前面には出ていず極めて穏やかなものである。生で飲んでみると、滑らかで上質な深い味わいで、芋焼酎の持つ甘味が引き立っている。 後味も爽快でグングン飲めそうである。
  ロックにしてみると、味が少しぼやけ生で感じた甘みが少々薄れているが、全く嫌味のない味で十分楽しめる。
  お湯割りにすると生で感じた滑らかさと甘味が引き立つとともに、芋焼酎特有のふくよかな味わいが前面に出て旨い。
  オールマイティーに完成度の高い焼酎であり、どの様な飲み方でも、殆どの人に支持されると確信するが、個人的には生で受けた印象が鮮烈過ぎ、これを一押しとしたい。
 

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