かいこうず 

                        
 吹上焼酎(株)   加世田市宮原1806 
   Tel  0993−52−2765
      ゲットした日 : 平成16年4月17日
                     

  銘柄名のかいこうずは海紅豆と書き、アメリカデイゴとも呼ばれ6〜9月に真っ赤な花を咲かせる高木豆科の植物である。 元々はアルゼンチンとウルグアイの国花で江戸末期に渡来し、今では鹿児島の県木に指定されているらしい。 らしいと書いたのは、浅学非才の愚生植物に関してはさらに輪を掛けて無知で、「かいこうず」も初めて聞いたような気がしたのである。 しかし、インターネットで検索してその花を見ると、なんと我々の周囲によく観られる植物ではないか!(^_^;) 夏を盛りに咲く花の名前の芋焼酎、南国情緒が満ち溢れている。(^^)

  和紙包装を解くと、かいこうずの花のような情熱的な朱色のラベルが白色スリガラス状瓶に映えて美しい。 原料芋は食用としては最高級と言われる栗黄金を使用、黒麹で仕込む。 吹上焼酎には栗黄金ー黒麹の組み合わせで他に「花雪洞」「風憚(ふうたん)」という銘柄があるが、どのように違うのかは定かではない。あるいは同じ製品が販売地域によって銘柄名を変えているのかもしれない。「風憚」については秘剣師本格焼酎寸言に美麗に紹介されているので是非ご参照下さい。 

  アルコール度数25度。一升瓶の他に4合瓶もある。

  生で飲んでみた。 甘く軽やかな芳香である。口に含むとさっぱりとした第一撃からずし〜んとした重厚な芳醇に変幻し、余韻となって残響する。
  ロックにすると、さっぱり感と芋焼酎の重厚さが程よいバランスを保っているようで、ゴイゴイとしかし十分に味わい深く楽しめる。薄まっても味は全くヘタレない。
  あらかじめ5:5程度に割り水したものを黒ヂョカで燗付けすると、重厚な甘味に驚かされる。生のままで燗付けしたかのような濃厚さなのである。ふくよかで実に良い。

  2年程前同じ栗黄金を原料とした「花雪洞」を飲んだ時に食用芋焼酎独特のカロチン様の風味を感じたのだが、この焼酎にはそれが全く感じられない。 やはり全く別の製品なのだろうか? それともこの2年間で製法が大いに進歩したのだろうか? いずれにしても、芋の持つ滋味がそのまま焼酎に昇華され濃醇が凝縮された逸品である。
  生、ロック、お湯割り何れも素晴らしく完成度の高い実力派でなので、お勧めの飲み方もケースバイケース、状況に応じてと言うことで・・・。(^^ゞ 
 ちなみにこの焼酎の造り手下別府杜氏のご内儀は元来あまり飲酒を好まれないらしいが、「かいこうず」の水割りだけはご主人が青くなる程飲めるらしい。(^_^;)
  
                  平成16年5月17日記載