伊勢吉どん 

                        
 小牧醸造(株)   薩摩郡宮之城町時吉12−1
             Tel  0996−53−0001
      ゲットした日 : 平成15年1月19日
                     

伊勢吉どん  鹿児島酒造組合ホームページによると、明治42年創業の小牧醸造昔ながらの手造りカメ仕込みで焼酎製造nに励んでいる。 廃業、協業組合化そして機械化・近代化と薩摩の焼酎蔵を取り囲む厳しい歴史の中で、幾多の時代の波に揉まれれながらも伝統を堅持するのは並大抵の苦労では無いはずである。 事実、昭和47年夏薩摩地方を襲った集中豪雨(小生も学生時代夏休みで帰省しており、加世田始め県内各地が水害にあったのは、未だに記憶に生々しい)で小牧醸造は甚大なる被害を受け、7年間休業を余儀なくされたのだが、現社長夫婦力を合わせて蔵を再興したとのことである。 焼酎を愛し育てる努力、焼酎版細腕繁盛記(現蔵元はお嫁さんの小牧世津子社長)はまさしく称賛に値するであろう。 

  銘柄名の「伊勢吉どん」は2代目蔵元の小牧伊勢吉会長にちなんでいるのあろう。 淡赤色のラベルには伊勢吉どんとおぼしき蔵人が醪の入った甕に櫂入れしている様が描かれおり、視覚的にも心和む焼酎である。(^^) 地元産の唐芋を原料に使い、カメ仕込みで、アルコール度数25度。 一升瓶の他に五合瓶もある。

  生で飲んでみた。 甘く芳醇な薫りが立ち昇る。 口に含んだ瞬間柔らかい甘味が屹立し、後味にほのかに残る苦みが芋の剛直さを感じさせる。
  ロックにするとサッパリと飲み易くなる。 薄まっても腰の強い味わいが残っている。
  あらかじめ5:5程度に割水したものを燗付けしてみた。 ふくよかで円味のある味わいの奥に、ちらっと垣間見える辛さがかえって柔らかい甘味を引き立たせ、陶然たる気分になる。 伝統的な芋焼酎の骨格を明確に発露していると言えよう。

  優しく柔らかい味わいは小牧醸造の蔵の個性を上手く主張しており、地元の人達に愛飲されているのも納得の逸品である。
  お薦めの飲み方はなんと言っても地焼酎の王道お湯割り系統だろう。



                 平成15年2月8日記載