古八幡
高良酒造: 川辺郡川辺町宮4340
Tel 0993−56−0181
ゲットした日 : 平成13年2月23日
高良酒造の製品を取り上げるのは「田倉」、「八幡」に続いて、3本目である。 何れの製品も社長の高良武信氏による手作り瓶仕込みにより出来た焼酎である。 この「古八幡」は他の焼酎と異なり黒麹仕込みで、しかも長期貯蔵により世に送り出され、アルコール濃度は37度のほぼ原酒である。 ハイグレードブランドとしての地位は地元川辺町では定着しているらしく、贈答及び引き出物用などに良く選ばれているようである。 2年ほど前に川辺の友人が宴席に町外不出の「古八幡」を得意気に持ち込んだことがあった。 その時は水割りで飲んだと思ったが、鮮烈な味わいに一同感動し、瞬く間に無くなった。
2月のとある休日、鹿児島のコセド酒店に寄り、この焼酎を見つけ購入すべきか否か逡巡したのだが、何とか我慢して川辺峠越えの帰途についた。 しかし、寄り道した川辺町道の駅でまたもや見かけ、それでもひたすらじっと耐えたのだが、3日ほど夢にうなされ続け、結局マルダイ酒店に注文してしまった。(^_^;)
生で飲んでみると芳醇で舌にとろけてしみ込んでいくような上質な甘さとコクの深さと共に後味の爽やかさを感じる。 熟成原酒特有のまろやかな味わいの中に芋独特の甘味・パンチと言った芋焼酎の骨格を十分主張している。 とても好感の持てる味わいである。 薫りはさほど強くは感じないが、ショットグラスをコニャックを楽しむように掌で包み込んで温めると、甘く上品でメロンのような芳香が立ち昇ってくる。
ロックにするとまろやかでキレの良い味わいはそのままに、飲みやすさを増す。
長期熟成焼酎として洗練されているかと問われれば、迷わず田舎者の焼酎と答えよう。 飲み易さやまろやかさを追求しただけの焼酎ではなく、あたかも焼酎分子の生き生きとした活力が感じられる様な、芋焼酎本来の旨さを追求した、無骨さの中に優しさと純朴さを秘めた作品と言えよう。 これは旨い! 秀逸である!
平成13年4月5日記載