さつま兵六 

                        
相良酒造(名)    鹿児島市柳町5−6
Tel  099−222−0534
ゲットした日 : 平成13年11月17日
                     

  
さつま兵六
  相良酒造は鹿児島駅裏辺り、国道10号線旧電車通りに面している。 表は「焼酎の館」という酒屋で、裏が蔵になっている。 店内には相良酒造の焼酎の他、数種類の銘柄も置かれており、試飲可になっている。
  私が行ったときは相良九代目ではないと仰った老人が応対して下さり、色々とお話を伺うことが出来た。 結構沢山の銘柄を販売しており、迷ったのであるが昔からの主力銘柄「さつま兵六」「相良九代目」を購入した。

  「兵六」毛利正直が1748年に書いた「大石兵六夢物語」の主人公で、鹿児島市吉野の山の中(今は住宅が建ち並び、とても狐は住めそうにないが・・・)に化け狐退治に出かける薩摩のボッケモン(むこうみず)である。 昔から鹿児島の子供はその武勇伝を聞かされて育っており、さらにセイカ食品の「兵六餅」でその勇名は脳裏に深く刻み込まれている。 もっとも小生は「ボンタンアメ」の方が好きだったが・・・。(^^ゞ)

  生で飲んでみた。 馥郁たる芋焼酎の薫りが立ち上り、甘く柔らかくまったりとした広がりを持つ味わいである。 後味にもふくよかなコクが残響している。 芋焼酎の明確な主張がありながらも、生でも美味しく頂ける。
  ロックにしても生で感じた柔らかい味わいは崩れず、かなり薄まってもあまり水っぽさを感じない。
  5:5程度に割り水したものを燗付けすると、芋の深くピュアーな味わいとでも言うべきか、甘味と辛味、軽さと重厚さ等のバランスの取れた絶妙の旨味である。 後味もふくよかで満たされた気分になれる。

  昔ながらのしっかりとした味わいの焼酎であるが、ロック等の新しい飲み方にも十分耐え得る。 営々と築き上げた伝統を感じさせる逸品と言えよう。
  お薦めの飲み方としては生のまったり感も捨てがたいが、やはりお湯割り系統か。


                    平成13年12月25日記載