ひっとべ薩摩藩 

                        
軸屋酒造(株) さつま町(旧宮之城町)平川1427
Tel  0996−54−2507
      ゲットした日 : 平成16年11月6日
                     

  平成17年5月12日の南日本新聞朝刊に軸屋酒造「権之助甕蔵」蔵開きの記事が掲載されていた。甕仕込み焼酎だけを作る蔵らしいが、この時期かめ壺に櫂入れしているあからさまなヤラセ写真は朝日新聞の捏造記事にも通底するマスコミの奢りだろうか?(^_^;) 
 ともあれ焼酎消費量の増加に伴い、経営的に余力の出てきた蔵元が新しい焼酎造りにチャレンジすることにはエールを送りたい。

  銘柄名にある「ひっとべ」とは「跳べ」の強調型である。古来より薩摩では「泣こかい跳ぼかい?泣こよっかんひっとべ!」と困難に当たっては勇猛こそが美徳と教育されてきたのである。 すなわち「ひっとべ」という言葉には叱咤激励以上にポジティブで強力なエネルギーが込められている。薩摩隼人は現代でも「ひっとべ」「ぼっけもん(向こう見ず)」に激しく鼓舞されるDNAを持つ希有なる人種と言えようか。(^_^;)
   この焼酎は阿久根大石酒造蔵見学の帰りに東市来町の焼酎屋田渕酒店を急襲しその銘柄名にお約束の反応を示した挙げ句ゲットしたものである。

  ラベルは島津家の丸に十の紋所を中央に配し、朱の墨書が力強い。アルコール度数25度。一升瓶の他に五合瓶があるかは不明。

  生で飲んでみた。深く重厚な薫である。芳醇で深みのある味わいが口中にまったりと響く。 重厚さ故なのだろうか生で飲むことにストレスを感じない。
  ロックにすると爽快な側面も見せ、さらに水で薄まると甘さも感じられる。
  お湯割りにすると、個性的で重厚な第一撃に思わず瞠目させられた。強烈故に解析の暇がないのである。アルコール度数は12度程度に低下しているにも拘わらず、生を燗付けしたかの如き濃い味なのだ。

  野太く剛直と呼ぶにふさわしい味わいはジゴロ(地元民)の通を念頭に置いた製品であろう。飲み易さやライト感覚等のトレンドとはまさしく対局にある薩摩焼酎の本流とも言うべき逸品である。
  どのような飲み方でも重厚な味わいが際立っているが、お勧めはやはりお湯割り系統であろう。


              平成17年5月12日記載