はちまんろかせず
高良酒造 川辺郡川辺町宮4340
Tel 0993−56−0181
ゲットした日 : 平成13年4月1日
東京の方が主宰するとある掲示板で「無濾過純黒」と「はちまんろかせず」を見つけた。
最近の焼酎は飲みやすさを追求する余り芋焼酎の香味成分を濾過しているので、昔ながらの薫り豊かな焼酎が少なくなったと寂しい思いをしていた矢先であった。 しかし鹿児島の人間が東京の酒屋に芋焼酎を注文するのもなんだかしゃくな気がしたので(^_^;)、さっそくマルダイ酒店に注文した。
ところがマルダイ酒店のご主人の話によると、この「はちまんろかせず」は「売りたくない。」というのが蔵元さんの意向のようである。(-_-#) まあ実際には販売店限定のプライベートブランドなのではと善意に解釈しているが、都会の焼酎愛飲家の方だけ向かずに、地元の消費者にもドンドン意欲的な商品を提案して欲しいと寂しい気持ちで過ごしていた。
しかし飲めないとなると余計手に入れたくなるのは焼酎飲みの悲しい性である。 鬱々としてどうにか手に入れたいと思考を巡らしていたのであるが、偶然にもコセド酒店でこの焼酎を発見した。 しかも試飲付きである。 感激の余り試飲グラスで2杯ほど飲んでレジに運んだ。(^_^;)
ラベルは黄色地にひらがなで「はちまんろかせず」と記載している。 アルコール度数は35度。 褐色の瓶でハッキリはしないが今の季節では白色の澱は出ていないようである。 う〜ん、濁りのある焼酎を飲みたい・・・(^_^;)
生で飲んでみると、ふくよかで芳醇な薫りに包まれ、重厚でまったりとした味わいの中に甘味が引き立ちコクがある。 後味にも余韻が残り楽しい。 コニャックのように薫りを楽しみながらチビリチビリと飲める。
ロックにして飲むと甘味がより一層引き締まったように感じる。 水で割ってもえぐみはほとんど感じない。
割水して置いたものを燗してみると、芋焼酎独特の芳香が薫り立ち、重厚な味わいの中に甘味が引き立つ。 後味も豊である。 割水してもしっかりとした骨格は失われず全く味がぼやけない。
この焼酎の甘さは高良酒造の製品に共通しているように感じるが、何れも一つ一つのカメ壺に心を配り、入念に仕上げられている証左であろう。
どの様な飲み方でも特上の旨さであるが、燗付けないしお湯割りが一番合っているような気がする。
平成13年5月18日記載