がんこ焼酎屋 

                        
 大石酒造(株)   阿久根市波留1676
Tel  0996−72−0385
      ゲットした日 : 平成15年6月1日
                     

がんこ焼酎屋  
  田渕酒店には山奥の酒屋とはにわかに信じられないぐらいの銘柄が揃っている。焼酎好きにとっては、山中に迷い込んだ旅人が心のオアシスに辿り着いたような恍惚感がある。この日も林立する一升瓶の前でどれにするか散々迷ったのだが、一升瓶の立ち姿の美しさに惹かれて、この焼酎をレジに運んだ。(^^)

  「がんこ焼酎屋」、こだわりが沸々と感じられる銘柄名である。この製品にはアルコール度数35度25度があり、35度は蔵元が昔の蒸留機を再現した「カブト式蒸留機」で蒸留されている。愚生が手に入れたのは25度なので普通の蒸留機を使用した製品ではあるが、裏ラベルには「この焼酎は、阿久根の農家の協力を得て、主原料をすべて阿久根産で造りました。麹米に『ひのひかり』、さつま芋は焼酎醸造特性の優れる新品種『九州ー08号(ジョイホワイト)』、仕込水に阿久根市大川の『平出石の水』を用いて、カメ仕込みで醸造いたしました。」と記載され、白麹仕込みながら新機軸の製品に胸がときめく。(^_^;)

  生で飲んでみた。液体に鼻を近づけると微香性ながら薫風が吹き抜けたような爽やかさがある。 口に含むと生の度数を全く感じさせず、甘く優しい口当たりは何時嚥下したかも自覚する間もなく蒸散した。口腔粘膜に響く残像は確かに芋焼酎のそれなのだが、何たる爽快、品の良さであろう!長期貯蔵酒のようなまろやかさがある。
  ロックにするとさっぱりと洗練された味わいが加速する。
  割り水したものを燗付けすると、柔らかく優しい甘味の奥にキリリと締まった辛さが垣間見える。

  麹米と原料芋へのこだわりが優しくまろやかな味わいに昇華し、それぞれの飲み方で異なった表情を見せ、そのいずれもが高いレベルを発揮した蔵元入魂の逸品と言えよう。 お勧めの飲み方としては甘く透明感のある生の味わいを堪能して欲しい。


                   平成15年8月26日記載