風(ふう) 

                        
 宇都酒造(株)  南さつま市加世田益山2431 
   Tel  0993−53−2260
      ゲットした日 : 平成17年10月9日
                     

風(ふう)  薩摩精酎組酒席報道官こだまさんと共に、2年ぶりに宇都酒造を訪ねた。 今回は宇都社長のご子息尋智氏が蔵内をご案内下さった。 尋智氏は東京農大醸造科をご卒業の後和歌山県の日本酒蔵元で修行をなさった後、2年ほど前に凱旋された新進気鋭の蔵元である。 我々素人の下らない質問にも真摯にお答え下さり、判断しかねることなどは素直にその旨伝えて下さるなど、気取り飾りの全くない父親似の謹厳実直な好青年、母親似のヨカニセなのである。

  この焼酎は3年ほど前から限定販売された比較的新しい銘柄であり、今回の蔵訪問のお土産に頂いた物である。(宇都酒造は酒類販売免許も有していますので・・・、老婆心ながら・・・(^_^;)

 ラベルは和紙に銘柄名が力強く墨書されたシンプルな物で、左上に「南薩摩本格いも焼酎」のブランドロゴと神渡勇次杜氏の名がが誇らしげに入っている。 確か黒麹造りと聞いた。 アルコール度数25度。四合瓶並びに一升瓶がラインナップしている。 
  生で飲んでみた。上品で官能的な芳香である。口当たりは柔らかく、瞬時に開化するような上品な甘味が口中に広がり、嚥下後に甘味と辛味そしてほんの僅かばかりの苦みが渾然一体となって残響しているようである。生でもゴイゴイ行きそうな危なさ。(^_^;)
  ロックにすると和水によるエグミなど全く感じず、気の味わいのまま薄まり、飲み易さが増す。
  5:5程度に割水したものを黒ヂョカで燗付けすると、当初の口当たりはさっぱりと洗練されているが、飲み進むにつれ宇都酒造独特の芳醇で堂々たる厚みのある味わいに感じる。

  癖が無く上品ですっきりとした口当たりながら、喉ごしのパンチの効いた味わいと後味に奏でられる甘味と辛味のシンフォニーが芋焼酎を飲む幸せを増幅させる。 素晴らしい!の一言に尽きる。 どのような飲み方でも秀逸な味わいを楽しめるが、この口当たりと奥行きの深さは生を一押しとしたい。

 (下写真は宇都家旧家床下より発掘された30年程前の「金峰」の試飲を勧めるヨカニセ宇都尋智氏

                  平成18年6月15日記載