第33夜 寒酎キャンプ


                 日時: 平成16年2月21日(土)〜22日(日)
                 場所: 野々湯温泉キャンプ場

 参加者: 村上君、村山君、江藤君(高校同級生)、mentaico君、ぶっちゃん、お母さん、ななこさん(焼酎をこよなく愛する会福岡支部)、こだまさん、にっしー(精酎組)

 本日の主役: さつま(佐藤酒造)海王(大海酒造)侍史の門(太久保酒造)かいもん(田村合名)子鹿35年古酒(子鹿酒造)怪しげなすずめ蜂酒(子鹿の瓶だった)、ビール多種
 
 本日のショケ:味噌粕汁風味寄せ鍋、殻付き牡蛎、クジラ刺身、バーベキュー、蒸し餃子、蒸し肉まん、西村屋のちけあげ、その他多数。.

  
  南薩摩を震撼させた寒波は去り、春を思わせる暖かい日が続いたとはいえ、厳冬期にしかも霧島の山中でキャンプを企てるという無謀なおんじょがいる。大崎町に住む高校時代の村上君である。 そして、彼を焚き付け、焼酎を鯨飲堪能しようと企むノーテンキなおんじょもいる。福岡県古賀市に住むこれまた同級生のmentaico君である。
 この二人に引きずられるように、平成15年7月26日賑々しく挙行された同窓会酎厳冬期バージョンが実現の運びになった。

 温泉タンク上に設置されたテント郡。中央が二次会用。
 福岡からは焼酎をこよなく愛する会福岡支部の精鋭に同級生の村山君を加えた強力布陣がワゴン車で乗り込んできた。 迎え撃つ鹿児島組は精酎組きっての武闘派こだまさんと、前回こだまさんの関節技に屈し、リベンジを果たすべく勇躍参加した江藤君を加えた、精強を僭称する守備隊である。(^_^;)

  13:30、こだまさん運転のスバルフォレスターで意気揚々と加世田を出発し、15時過ぎに野々湯温泉キャンプ場に到着。
  キャンプ場の様子は野々湯温泉オートキャンプ場をご覧下さい。


 宴会用テント。人の背丈と較べても巨大さが理解出来よう。
 ほんの少し前に着いた村上君と再会の握手もそこそこに、設営に取りかかる。 まず村上君持参の宴会用テントを設営しようとしたのだが、巨大な上に複雑怪奇な構造のため、3人だけでの設営を断念し、宿泊用テントの設営に取りかかる。 これも村上君持参の二張りとこだまさん持参の一張りを、なんとコンクリート性温泉タンクの上に張ろうというのである。
 村上君のテントはいずれも7〜8名用(詰めればもっと沢山寝られるかも)で、今迄観たことのない構造をしている。 しかし一人でこんなに沢山のテントを持つ・・・・(-_-?)、なんかおかしくないか?(^_^;) こだまさん持参の5人用テントと合わせ3張りを温泉タンク上に設置した。


 調理場及び温泉蒸し釜。
 悪戦苦闘した宿泊用テント設営も終わりに近づいた頃福岡組到着。 聞けば霧島神宮に寄ってきたとのこと。 う〜〜む、お客さん気分だな!(-"-) 相応の負担を強いて共同参画キャンプの神髄を思い知らさなければ、と村上君と愚生の目が鈍く光るのであった。(^_^;) 

 みんなに手伝って貰えば驚く程作業は進展する。3人では立てられなかった宴会用テントも瞬く間に設営完了した。
 で、テントの中に入って度肝を抜かれた! 広い!驚愕する程広いのである。如何に背伸びしようとも天井に手が着かない程の頭上クリアランスがあるのである。(・_・) 我々青春時代に山登りに打ち興じた人間の「テントとは背を屈めて入るもの」との常識が無惨にも崩壊してしまった。 
 このような装備を持つ村上君って、真からのエンターテイナーなのだろう! しかし・・・やっぱりちょっとおかしくないか。(-_-?)


 温泉卵を造る村山君の勇姿。
 設営が終われば、装備と食料の搬入である。 村上君の三菱シャリオから冷蔵庫やテーブルを始め、まるで家財道具一式とおぼしき様々の装備が吐き出される。 テントが常の棲家と邪推されかれない程の備品なのである。(・_・)

 準備が一段落した所で、卵と少々のビールを持って下の調理場に全員で移動した。 なんとここには温泉蒸気を利用した天然蒸し釜が5機程設置されて居るではないか。 ここで温泉卵を作ろうという魂胆である。 村上君の号令一過村山君が蒸し釜に躍りかかる。 わずか5分程の蒸し時間で、黄身限りなく生に近い温泉卵の出来上がりである。(^_^;) 熱くて殻を剥くのに苦労はするが旨い! さらに一仕事終わった後のビールも旨い!(^^)


 岡山産殻付き牡蛎。超美味!
 女性陣が温泉に浸かっている間に、宴会用テント内で飲んかたを始める。 ショケは村上君持参の殻付き牡蛎!(・_・) ロースターを使って蒸し焼きにし、殻が緩んだ所で中身にかぶりつく。 何たる美味! 何たる巨大さ! 久しくこのような滋味満点濃厚な味わいの牡蛎を食したことがなかった。 これだとビールよりはやっぱり焼酎でしょう。 牧園町横尾の酒屋で購入したさつま」のお湯割りを頂く。 ぷふぁ〜〜〜!堪りませんな! 牡蛎を5個程食したであろうか。もうこれだけで十二分に満足満腹感に浸れたのである。 今夜は暴飲暴食の予感!(^^ゞ


 使い込んだダッジオーブンで造る寄せ鍋。
  腹ごなしに、温泉に行く。 露天風呂になっており、上部に位置する女性風呂からはしっかり覗けそうなのだが、その逆は全く不可能である。 何たる理不尽!(^_^;) サウナは天然のスチームサウナで体に優しそうなのだが、中が真っ暗なのが玉に瑕か。温泉の温度は適温。 湯の花も浮き効能あらたかを実感させられる。 

  風呂から上がった所で江藤君到着。 宴会用テントに全員揃った所で、宴会が始まった。メインディシュは村上シェフの作る味噌粕汁風寄せ鍋。 油を幾重にも丹念に染み込ませたという自慢のダッチオーブンでグツグツと煮る。 具材は豚肉、出汁用のワタリガニに野菜類がふんだんに入っている。 これも甚だ美味なり!

 「かいもん」と「さつま」にご満悦!

  愚生もホストの一人として鍋より遠く離れた入り口付近に陣取り甲斐甲斐しく打ち働いていたのである。 主任務は、これまた村上君持参のガス用バーベキューグリル利用の焼き肉制作である。 座中心部から遠いため村山君に美味なる鍋を取り分けて貰うのだが、これが悲しい程分量が少ないのである。(>_<) 何回もお代わりをして彼に疎んじられそうに・・・。(^_^;)

 mentaico君持参の鯨の刺身もこれまた美味なり。 焼酎のショケに最適。 焼酎は福岡組が村上君持参の「侍史の門」「海王」をロックで飲み、薩摩組が「さつま」、「かいもん」をお湯割りで飲むと言う構図だったような。

 若い娘を前にしてはどうしても鼻の下が伸びますな!(^_^;)

 こだまさんが精酎組薩摩歴史的遺産登録「子鹿原酒35年物」焼酎伝道師の集い第26夜 砕け散るまで飲め!参照)をやおら取り出し、皆に試飲を勧める。 愚生はこの再生不可能な希少価値を存分に理解し、常日頃から無粋な試飲は控えているのだが、この珠玉の名酎の鯨飲を企てた狼藉者が居た。
 その名は江藤! 旨いのは誰しも感じること。 しかしこれは後世にも残すべき遺産であり、薩摩隼人は等しくその任を負うべきなのである! 残量少なき陶器瓶に茫然自失たるこだまさんを尻目にゴイゴイ飲む無神経さを諫めたのだが・・・。同じヨクロボの話を聞く訳ないか・・・。(-ー;)


 こよなく焼酎を愛する会福岡支部の精鋭達。

 我々男ばかりのノンカタでは時事問題を始めかなり際どい話題で盛り上がり、ずんだれて果てると言うのが通例なのだが、20才代の若き女性が一人混入しただけで、何かしら余所行きというか、明るさが増すような気がする。 これも流し場から数十mの延長コードでテントまで電気を引き、100wの電球がテント内を煌々と照らしているせいだけではなさそうである。(^_^;) 
 おんじょんしは鼻下延長傾向朱面笑みでおごじょに話しかけ嬉々としているのだが、愚生はどうしても苦手なのある。 暗い青春時代のトラウマが未だ癒えないのだろうか・・・。(^_^;)

 途中こだまさんがおこめさんに電話を入れて少し話をする。 何を話したかは全く記憶なし。 それでは我らのマドンナの声もテントに響かせようと、izabelにメールを送るが、どうにも送信出来ない。(-_-?) 携帯を穴が空く程見詰めてみると、なんと圏外であった。 不甲斐ないぞ”au”!(-_-メ)

 村上君に感謝の抱擁と熱い接吻!(>_<)

  色んな話で盛り上がったのが、痴酔性健忘症さらには若干の老人性痴呆も加わり故殆どが記憶外である。 (^_^;) 楽しい飲んかたは瞬く間に時間が過ぎ、10時過ぎに一次会はお開きとなり、温泉タンク状に設置された中央のテントへ河岸を変えることになった。 
  ここもあらかじめ村上君が敷物とテーブルを敷き会場設営は完璧に出来上がっていたのである。 何たる心配り! 我々ヨクロボは暖房の効いたテント内に勇躍転がり込んだ。

 若武者こだまさんとの年齢差は歴然としますな。(^_^;)

 男性陣は全員揃った・・・、と思いきや、何か変なのである。(-_-?) 誰か居ない・・・? あっ!江藤君がいない! 朦朧とした頭で思索を巡らしたのだが・・・。(-_-?) さては先ほどの「子鹿35年物」鯨飲狼藉で、こだまさんの怨念のプロレス技に臆したか、雲隠れしたらしい!(-"-)

 彼の戦線離脱により若干の寂しさは否めなかったが、焼酎に対する愛を縦糸に男の友情を横糸にしたフレンドリーで静かな良か飲んかたでしたな〜。(^_^;) 同級生というのは30年の時空を越えてもみずみずしさを感じさせるものなんですな〜。(^^) 

   

 シュラフとマイ枕を掠め取って開き・・・いや寝直る!(-"-)
 ワイワイやっている内に村山君がダウンし、愚生の羽毛シュラフとマイ枕を掠め取って奥の寝室で寝だした。 最初はしょうがないな〜と大目に見ていたのだが、床が暖かいせいか途中からうつ伏せに寝始めた。 酔眼でよ〜く観察すると、マイ枕にヨダレを垂らすではないか!(-"-) 「おい!そいはおいが毎日使こちょっ枕じゃっど!」若いおごじょの唾液ならまだ許せるが・・・やっぱり許せないか。(^^ゞ で、強制的に枕を奪還した。 しかし、厳しいだけではない。 封筒型シュラフを開いてちゃんと被せてやるという優しさも同時に発揮したにもかかわらず、翌朝彼は「にっしーは酷い奴や!枕も寝袋も取った!」等と吹聴していた。(-_-メ)
  う〜〜むぅ、ヨクロボ同志ではほんの些細な事でも友情にヒビが入りかねないと反省。(^^ゞ

 このころはもうヘロヘロ!(@_@)

 テントの中は半袖でも十分な程暖かい。途中睡魔が襲い、12時頃崩落したらしい。 こだまさんは泥酔は免れ、プロレス技を掛けまくるという傍迷惑な病気は発症しなかったらしい。(^_^;)

 翌朝5時頃から村上君が騒ぐ声は聞こえたのだが、無視してひたすら惰眠を貪り7時過ぎに起きた。 喉が異様に乾く。 ゴソゴソしているとこだまさんが「ポカリスエットを持ってきてますよ。」と枕元を指した。 何たる心配り! これも精酎組遠征の学習効果なのだろう。 感謝してコップ2杯を一気に飲み干す。 やはり昨夜の酒がかなり残っている。(=_=)

 朝食及び朝ノンカタ風景。(・_・)やっぱい旨い!

 宴会用のテントに行くと既に全員が集まり、朝食の準備をしながらまたもやビールを飲んでいた。(・_・) 朝食は昨日の鍋の出汁にアサリを入れたみそ汁。 温泉蒸し釜で丹誠込めて作った赤飯山菜おこわ。 さらに洋食派のためにホットサンドも村上君が作ってくれた。 ビールを飲みながら頂く朝食はまた格別であり、おこわも実に旨い! ついでに焼酎も一杯・・・。(^^ゞ う〜む、二日酔いが収まったと言うよりは、またもや泥酔状態に近いのでは・・・。(-ー;)

 聞けば江藤君はテント内は熱過ぎて眠られず車の中に寝たらしい。 さらにぶっちゃんは何者かに寝袋を略奪され、仕方なくワゴン車に寝たらしい。 前回(焼酎伝道師の集い第30夜 同窓会酎参照)も同様であったが彼の場合、人の良さと強アルコール耐性なため最後まで自我崩壊が無く、就寝に関してはババを引く宿命みたいな物があるのだろうか・・・。(^_^;)

 朝食中からポツリポツリと来た雨が、勢いを増さないうちに撤収を開始した。 家財道具一式を仕舞い込み、最後に濡れたテントはビニールに包み、またもや村上君のシャリオに押し込んだ。 撤収完了と共に雨は本降りになり、人には言わなかったが、やはり雨男の存在を確信したのである。

 秀逸な山菜おこわと赤飯を取り分けるぶっちゃん。
(^_^;)

 村上君の質量共に豪華絢爛なキャンプ装備、そしてその一つ一つ確実に使いこなし、アウトドアーをインドアート変わらない快適空間に作り替える創造性と縦横無尽な実行力。 どちらかというとサバイバルキャンプを是とする愚生とは宗旨宗派は異なるが、キャンプの達人の称号を欲しいままにするのも頷ける。

 今回のキャンプは計画から準備、実行、後片付け、全てに渡って全面的に村上君に依存した物であり、彼の献身的精神と痒い所に手の届くような心配り、そして強い友情の絆がなければ実現不可であったと痛感している。 感謝!感謝!ただただ感謝!
 しかし、これほどまでにキャンプにのめり込むち・・・、家庭生活にないか問題があっとじゃなかね。(-_-?)

  いやぁ〜、ほんのこて同級生と焼酎の縁ちよかどな〜!

   野々湯温泉オートキャンプ場もご覧下さい。
 
   
表紙 焼酎の部屋 焼酎伝道師の集い 第30夜 同窓会酎 第32夜 精酎組種子島に遊ぶ1・2 屋久酔酎行1・2