世界室内自転車競技選手権日本大会
World Chanpionship Indoor Cycling 2001 in Kaseda, Kagoshima
平成13年11月17日(土)〜19日(月)
1年以上前から過疎の町加世田市の総力を上げて準備した
サイクルサッカーがいよいよ開催される。 運動公園への新しい取り付け道路も完成し、準備万端この日を迎えた。
開会式に合わせて
小泉首相がお国入りし、本町通りをパレードするとのことで、カミさんや子供は騒いでいた。 深く掘り下げた論議や実績そっちのけで、あたかもタレントの如き個人的人気のみで政策を評価する国民の姿勢こそが偶像崇拝に繋がり、それがファシズムの遠因なのだと激しく諭したのだが、まあ小生もミーハーなので、時間になるとちゃっかりと沿道に並んでいた。(^^ゞ)
30分近く待っただろうか、パトカーに先導された黒塗りリムジンの集団が近づいた・・・と思ったらあっという間に走り去ってしまった。 窓より小さく手を振っている小泉首相をほんの一瞬確認しただけだった。
三田 明ショー。集まった世代はかなりの
シニア。仕方ないか・・・(^_^;)。 |
聞けばこの一団は信号を全て青に変えて交差点を猛スピードで走り抜けて行くらしい。
#まあ、
要人警護の観点上そうならざるを得ないでしょうね。
大会二日目の18日(日)午後1時より大会を観に行った。 隣接する陸上競技場では
農業祭も行われており、色んな出店が軒を連ねていた。 ステージでは丁度
「三田 明ショー」が行われていた。 いや〜〜、懐かしいですね。 それなりに年は取っているけど、声は若いままだし、なんかこちらも10代にタイムスリップした様な不思議な気持ちで
「美しい十代」を聞きました。(^_^;)
当日券代1,200円を支払い体育館の中に入り、前列より4段目ぐらいに陣取り午後の部開始を待つ。 会場内には若い自転車競技フリークが結構いる。 しかし観客総数は千人に満たない様に思われた。
午後2時に競技が再開された。 世界の強豪が集まるグループAのスイスvsベルギーの対戦である。
サイクルサッカー。その迫力にはビックリする。 |
サイクルサッカー(cycle-ball) は14x11mの低いフェンス附きコートにそれぞれ幅2mのゴールを設け、一チーム2名で、直径17〜18cm、重さ500〜600gの布製のボールを自転車の車輪を使って相手ゴールに入れるゲームである。 7分ハーフの合計14分で競技される。 自転車もブレーキが無く固定ギアの特殊な物を使用しているが、プレー中は足を床に着くことは出来ないので、ホバリング(静止)の高い技術が要求される様である。
実際にゲームを観ると、予想外の迫力と技術の高さ迫力に驚かされる。 自転車を自由自在に扱う技術は子供達を魅了して止まないだろう。 シュートシーン等は一瞬ボールを見失うぐらいのスピードである。
この姿勢で自転車を
自由自在に扱う・・・(・_・) |
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サイクルフィギア(artistic cycling) はサイクルサッカーと同じコートを使用し、2輪車を使ってフィギアスケートの様に演技の美しさや難しさを競う種目である。 競技は男女それぞれに別れ、シングル、ペアの種類があり、約100種類ある技の中から28種目を6分間で演技する。 演技の難易度によって持ち点が異なり、減点法でほぼ瞬時に点数が出されていた。
この種目を観て驚いたのだが、サーカス真っ青の
アクロバティックな演技が次から次に飛び出すのである。 片輪走行、スピン、ハンドル乗車、ジャンプ等々、本当に
どげんでんこげんでんして(あの手この手で)自転車に乗るのである。 まあ時には落車もあるが、トップクラスの選手の演技には目を見張らされる物がある。
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↑ サイクルフィギア男子ペア
スピンのディオ。
最初の3〜4分は2台の自転
車でディエット演技を行う。
←残りの時間は1台の
自転車に二人乗り込み、
アクロバティックな
演技を披露する。
何故こんな事が出来るのか、
信じられない・・・(@_@) |
当初は5時半までの午後の部で帰宅予定であったが、あまりの素晴らしさに午後7時からの夜の部を最後まで観戦し、繰り広げる妙技に酔いしれた。
この演技で1,200円!・・・安過ぎる!
今回の世界大会はさしたる混乱もなく円滑に運営され、競技者や観客に好評の様であった。 これもひとえに大会関係者の御尽力と大会を支えたボランティア諸氏の熱意の結晶と敬意を表したい。
そして大会に何ら協力せずにこのような意見を述べるのは僭越至極、厚顔無恥の極めなのだが、あえて誤解を恐れずに感想を述べてみたい。
競技を観て感じたのだが、加世田市体育館の特設スタジアムの観客は八分入り程度で1,000人いたかどうかであった。
過疎の町加世田市がこのような世界大会を成功裏に開催できたのは、口には言い表せない艱難辛苦を乗り越えた成果であると同時に、世界に小さな自治体の可能性を発信出来たと言うことでも、かなり意義深いことだとは思う。
しかし、
世界のトップアスリートが繰り広げる神業にも近い演技をもっと沢山の人に観て欲しかった。 さらに、
競技の認知度の向上や競技人口の拡大という観点からも、せめて県庁所在地程度の都市での開催が望ましかったのではないかとも考えた。
素晴らしい演技を堪能し、大きな感動を得られたから特にそう思ったのである。
とは言っても、今は大会関係者及び選手の皆さんにただただ
感謝の一言です。
沢山の感動をありがとう!
加世田市の同大会の案内はこちら
表紙 Kaseda Now 長屋山登山 加世田脊梁山地を歩く