知覧武家屋敷 

                        
 知覧醸造(株)   川辺郡知覧町塩屋24475
             Tel  0993−85−3980
      ゲットした日 : 平成14年8月14日
                     

知覧武家屋敷    
  薩摩の小京都と呼ばれる知覧町は南北に長い。 銘柄名の武家屋敷群と太平洋戦争特攻隊基地跡にある平和記念館は北端の町中心街にあり、指宿開聞とリンクし年間を通じて沢山の観光客で賑わっている。 この武家屋敷及び庭園は未だに人が生活しており、保存状態も良く、薩摩武士の質実さを偲ぶ資料として一見の価値がある。

  知覧醸造のある塩屋は知覧町の南端の海沿いで枕崎市に隣接し、北部の盆地の落ち着いた佇まいと異なり、漁業とお茶や唐芋等畑作が盛んな陽光溢れ開放的な印象を受ける地区である。 唐芋畑の真っ只中にある焼酎蔵。 まさしく薩摩の原風景である。 原料芋は厳選に厳選を重ねると聞く。 ただ今まで蔵近辺をうろついたことがなく、この夢想にも似た風景を目の当たりにするために、この「知覧武家屋敷」を購入したマルダイ酒店さんに、蔵訪問をおねだりしている。(^_^;)

  ラベルには暖色系の色合いで武家屋敷の様子が描かれ、ほのぼのとしてまた土着的文化の薫りを強烈に主張しているかのようである。 アルコール度数25度。 一升瓶の他に五合瓶もある。 また黒麹仕込みの製品もラインナップしている。

  生で飲んでみた。 控え目で抑制の効いた芳香が立ち上り、柔らかく上品な甘味が引き立っている。 生のままでも何の躊躇無く飲める優しさ、清冽さである。 
  ロックにしても、生で感じた骨格はしっかりと残った上に凛とした味わいが増す。 和水によるエグミなど全く感じられない。 氷が溶けだして出来た最後の一滴にも味がある。
  燗付け、お湯割りにすると、ふくよかさ及びコク深さとも申し分なく、まさしく芋焼酎を飲んでいるという充足感にどっぷりと浸れる。

  上品でバランスの取れた本格的な味わいながら、許容性の高い飲み易さを感じさせる逸品である。 県内では殆ど無名の蔵で出石数も少ないと推察されるが、なかなかどうしてレベルは極めて高くかなりの実力派である。 同じ南薩の蔵のレギュラー酒なのに、今まで食指を延ばさなかった不明を大いに恥じ入ってしまった。 いや〜、まこちよか焼酎な〜。(^^)
  どの様な飲み方でも美味しく頂けるが、やはりお湯割り系統を一押しとしたい。


                          平成14年9月26日記載