アサヒ 

                        
日当山醸造(株)   姶良郡隼人町西光寺649
Tel  0995−42−0315
      ゲットした日 : 平成14年8月18日
                     

アサヒ    
  「アサヒ」は薩摩地焼酎の雄である。 県内メディアへの露出は極めて少ないにも拘わらず、我々焼酎ノンゴロに何かしら畏敬の念を強いる存在感が、厳として存在している。 おそらく姶良地区のノンゴロに圧倒的に支持されているのがその一因なのかも知れない。
  蔵のある隼人町の隣町国分市出身のよ〜ぐ師が、マイフェイバリット焼酎の一つとして挙げるのもこの「アサヒ」である。 国分市と隼人町はボーダレスとは言え、「おいどんたっが焼酎!」と受容され続けている事に、この焼酎の底力を感じる。

  大正9年創業の蔵は空港道路の急坂を国分方面に滑るように下りて来て、天下川沿いの霧島街道に突き当たる左側にある。 周辺至る所に温泉が湧き出、霧島山系の豊富な地下水脈で良質な仕込み水に恵まれ、酒造りには環境面も含めて最適な場所と言える。  秘剣師の本格焼酎寸言によると、最初は白麹で仕込み、後で清酒用麹を加える、添え麹と言う独特の製法を継承し、味にまろやかさを出しているらしい。

  ラベルには霧島連山を燦々と照らす旭日が描かれ、中央部に銘柄名がヒゲ文字で堂々と記載されている。 アサヒ、如何にも薩摩らしく虚飾を廃し剛胆で、心に訴えかけるネイティブな銘柄名ではないか。(^_^;) アルコール度数25度。 一升瓶の他に五合瓶並びに麦製もラインナップされている。

  生で飲んでみた。 如何に巧妙に隠れ酎を試みようとも即座に看破されそうな芋由来の芳香が室内に充満する。(^^ゞ) まったりと濃醇な口当たり、そして舌で蒸散した後、喉をするりと滑り降りる甘露に重厚な甘味とコクを堪能出来る。
  ロックにすると、甘味旨味がギュッと冷却凝縮するようである。 薄まっても味がしっかり残り伸びやかである。
  あらかじめ割り水したものを燗付けすると、これぞ芋焼酎と言うべき重厚さ、ふくよかさ、そして柔らかさを存分に発揮している。 これは芳醇無比極まりなく、ラベル記載に偽りなし!と断じて良いでしょう。(^^)

  味に独特の深みと重みを感じるのはやはり添え麹の影響なのだろうか?
  安らぎ、充足及び多幸を感じさせる超弩級の味わいは、伝統的薩摩地焼酎の秀眉と言えよう。 薩摩の焼酎ノンゴロをねじ伏せ、唸らせる逸品に感じ入ったとき、鼻の穴が広がったよ〜ぐ師の幻影を見たような気がした。(^_^;)

  どの様な飲み方でも美味しく頂けるが、やはり薩摩の伝統的作法お湯割りで堪能するのが一番でしょうな。


                          平成14年9月30日記載