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【 平成12年度 総務省消防庁消防科学研究所 受賞製品 】 
 平成13年3月13日 東京都千代田区霞ヶ関2−1−2 総務省第一・第二会議室にて受賞

受賞当日は、ROBOT ENGINEERING 株式会社 MSK 代表取締役 浜畑 徳久が出席


13年3月13日/総務省消防庁にて受賞式


中川浩明消防庁長官の挨拶                   浜畑徳久氏の賞状授与



中川浩明消防庁長官室にて


   

二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の開発

■特許庁登録車両
■運輸省/九州陸運支局 軽貨物自動車 製造認証取得
 ・九運整第/1027 ・九運整第1068 ・九運整第118号
■通産省/法第1413・研究開発事業/認定企業 
・工振第392号/産業ロボット及び特殊車両等の企画製造


「概要」

(1)二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の開発。


(2)消防活全般で運用される、二輪牽引式の運搬機。

(3)以前の問題点

 従来の消防活動用車輌は主として四輪車を使用し、様々な装備を搭載し充実した消火力を備えた消防活動用車輌として運行しているが、現代の交通環境を直視すると慢性的な交通渋滞や違法駐車、道路工事等により、緊急出動から災害現場へ到達する移動時間が年々遅延しており、迅速かつ機動的な火災対応体勢を著しく阻害している実状がある。

 また、大規模災害発生時においては道路環境が著しく悪化し、これら四輪車の消防自動車等は円滑な通行を阻害されやすい状況にあり、災害等の拡大を阻止しにくい状況にある。
特に密集市街地等における火災発生時の初動体勢においては、ブロック火災戦術等、機動的でミクロな消化戦術により無駄のない消防活動を実施する必要が求められている。
 しかし、このような密集市街地等での消化活動時には、しばしば大型の車輌の侵入が困難であったり、消火活動時に車道を大きく占有し、他の消防車輌の離合等を阻害して、包括的消化活動を行うには様々な点で課題が残されている。
 また、高速道路での車輌火災や事故発生時の救出活動等の出動時において、路線が大幅に渋滞し四輪の緊急車輌の進行を著しく阻害し、負傷者の円滑な救護及び消化活動等を阻害している状況である。
 
 先の阪神淡路大震災においては広域的に災害が群発したが、前述した四輪の消防関係車輌等においては被災地へ近づくことが困難となり、広域応援活動等充実した消化活動等を円滑に実施できなかったことも今後の課題の一つと言える。
 即ち、上述のとおり、交通渋滞時や劣悪な道路環境での四輪消防車等では、機動的で円滑な消防活動が実施しにくい社会環境となっている実状がある。


(4)効果

 上記、記載のとおり、交通渋滞時や劣悪な道路環境でも、ブロック火災戦術やミクロな消火戦術等、無駄のない消防活動と初動体勢を確立することがこれからの消防体勢に必要不可欠な要素となっている。
 この広域応援活動等、火災対応体勢を過不足無く実施するための具体的解決手段として当該車輌の開発を行い、この成果により従来の二輪消防車の積載量の4〜5倍の積載力を持つ牽引システムを開発した。

 このシステムは、機動力と消防用資機材等の搭載力を持ちあわせており有効な消火戦術を円滑に実施する、従来にない二輪牽引式の多目的消防活動二輪車であり、消防活動全般で効果的に運用される二輪牽引式の運搬機である。
 牽引される運搬機の全長は、2.058mm、全幅0.500mm、全高0.891mmの堅牢でコンパクトな形状であるため、多彩な消防防災資器材を円滑に、そして自在に搭載できる運搬機であり、さらに牽引する二輪車の走行安定性や機動力を全く阻害しない設計が施されている。
 このため、緊急出動の際も凸凹な道路や高速道路、狭所侵入、路側帯、大規模災害時の等の劣悪な道路環境でも過不足無く円滑に走破する機動力と積載力に優れている。
 さらに、この成果は広域的災害事の群発する災害等においても多方面に分散して機敏な初動体勢を発揮でき、従来にない効果的な火災対応体勢を構築することが出来る。
 つまり、交通渋滞時や劣悪な道路環境でも円滑に、そして機動的に消防活動を行うために開発された、初動体制に優れた二輪牽引式の多目的消防活動二輪車である。

 この運搬機の積載量は最大100Kgで消防活動用資機材等を自在に搭載できる能力があり、下記に列記した消防活動全般の用途に活用され特筆すべき効果を発揮する。
 図−1に示すように「二輪消防自動車」として、
@可搬ポンプ2A吸管、Bホース4巻、C管鎗等の資機材を自在に搭載し、密集市街地や狭い路地に面した住宅環境での火災等一切の初動体制に抜群の威力を発揮する。
 その他、適正な消防資機材の搭載により

1,「林野火災対策車」
2,「救助工作車」
3,「電源供給・照明車」
4,「画像転送システム車」
5,「災害対応多目的車」

として多岐に運用される。
 上記、記載のとおり様々な消防用資機材を搭載でき、少数精鋭の消防体勢の構築により都市防災や林野火災等、火災対応体勢や広域応援活動の抜本的な解決手段となり、今後の消防体勢全般におおいに貢献できる緊急自動車となる。




「本文」


二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の開発。(高速ハイパーサポートバイク)


   この二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の開発目的は、従来の四輪自動車の 弱点であった狭所侵入等の物理的課題の払拭と、従来の消防活動二輪車の積載 力を拡充する目的で研究開発された、牽引式緊急運搬システムである。
 前項で述べたように四輪自動車の緊急出動については、社会環境の変貌に伴 い道路環境の衰退等様々な課題が多く、この課題を払拭する効果的手段として消防活動二輪車が開発され、狭所侵入や荒地走行等、機動性に優れた緊急出動 が実施され、一定の成果を獲得している。
 しかし、この種の消防活動二輪車は多種多様の消防用資機材の搭載力に限界 があり、消火能力において抜本的な消火活動への貢献には至っていないのが実 状であった。
 今回、開発された緊急出動用の二輪牽引式の多目的消防活動二輪車は、前述 した従来の消防車等の課題を抜本的に払拭した考案であり、抜群のと機動力と 積載力を誇り、今後の火災対応体勢や広域応援活動におおいに貢献する資機材 となる。
 この二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の走行安定性は抜群で、(財)全日本 交通安全協会・二輪車安全運転推進委員会で実施される、コンビネーションス ラローム及び法規履行コース等の競技でも、円滑に過不足無く運行できる牽引 システムであることが実証されている。

この走行安定性の最大の要因は、特許等登録を行った
【請求項−1】・非牽引 車が一輪式であること、
【請求項−2】・特殊連結装置の構造によるものであり、 この二項目の成果が重量物積載時の走行安定性や凸凹地形での走破性を円滑に 作用させる最大の要因となっている。
 特に【請求項−2】・特殊連結装置の構造は、牽引側のバイクの様々な作用 と非牽引車のネジレ圧や衝撃圧等の力学的作用を互いに融合しあい、さらに堅 牢に均衡を維持し相互の走行安定性を調和させる構造であるため牽引側のバイ クの走行安定性や操縦性能に何ら影響を与えない設計となっているのが特徴で ある。

図−3/Aに示すように、大きく隆起した道路においては非牽引車が円滑に 上下しながら追従する機構を有し、車底高を300mm以上確保しているため 頂上付近の移行時での地表との接触を回避する設計を施している。
 また、積載する質量の変化に対しても緩衝装置の取付位置を自在に変更でき るため、常に車底高を300mm以上確保した状態を維持できる構造となって いる。

図−3/Bに示すように、右左折する場合も非牽引車が円滑に追従する機構 を有しており、鋭角に屈折するようなクランク走行でも操縦性能を損なわずに 安定した走行を実施できるように設計された二輪牽引式の多目的消防活動二輪 車である。

 牽引車とトレーラ部の左右移行の最大許容量(角度)は180度で、バイク が最小半径で継続的に旋回しても円滑に追従することができるトレーラシステ ムである。
 つまり、牽引するバイクが凸凹の原野や山林の狭い道路等、過酷な道路状況 、交通渋滞時の路側帯や中央線付近、災害時の亀裂の発生した劣悪な道路環境 でも円滑に過不足無く追従させることを想定し研究開発を行ったため抜群の機 動力と積載力を獲得した。
 この成果により消防活動等全般での運用や、広域的災害発生時の初動体勢に 有効な出動手段となる二輪牽引式の多目的消防活動二輪車となる。

■ 二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の「主要諸元」は、次のとおりである。
製   造   元 /株式会社 MSK
車      名 /BIKE TRAILER
型      式 /TRA_03及び04
自 動 車 の 種 別 /軽貨物自動
車 車 体 の 形 状  /一輪式のトレーラ  長さ/2.058mm  幅/0.500mm  高さ /0.891mm
車 輌 重 量 /34Kg
最 大 積 載 量/100Kg未満
最 大 速 度 /100Km/h 未満
能力強度等検討 />1.6

 運輸省の改造自動車等審査申請で強度検討を行った項目については、車枠強 度・車軸強度・操縦装置強度・緩衝装置強度・制動装置強度・連結機強度の6 項目で検討し、当該部署より結果通知書により認証を取得した。  

二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の全体概要としては、 図−2/a・b に示すように、全幅は500mmとバイクのハンドル幅より小さく設計されて おり、円滑な狭所進行を可能にしている。
 図−2/cに示すように、トレーラ上部にはアーチ状の簡易荷台があり防災 無線のアンテナ設置や、ストレッチヤー等のようなカサバル資機材等を積載で きるように考慮している。
 図−2/a・bにあるように牽引するバイクには緊急車輌登録を行うために フロントバンパー、リヤバンパーを設置しており、フロントバンパ上部に赤色 回転灯及びサイレン・スピーカがそれぞれ一対装備されている。また、バイク のフロントフォーク部には障害物との接触を考慮して保護用バンパーがあり、 バイク及びドライバーの安全運行に配慮している。
 図−1に示すように、牽引する125cc以上の二輪車は夫々の車種に適合 させた「専用フレーム」があり、牽引する二輪車全種に対応する設計が施され ているため、この牽引システムは全メーカーのバイクに適合する。
 図−5に示すように、二輪牽引式の多目的消防活動二輪車の取扱については、 下記要項にて運用する。

@トレーラ部の連結や分離は、特殊連結器にあるコ鉄部にボルト2本を挿入して固定し、このボルト2本を解除することで容易に分離する事ができる。

Aトレーラ部の制動灯等の燈火類への電力は6端子カプーラーにより配電供給されており、牽引側の制動灯や方向指示器と同一に作用し、トレーラ部の接 続・分離時はワンタッチで行える

B特殊連結器に慣性ブレーキを作用させる機構を有し、二輪車の急制動時の制動力と相互に同期させ、トレーラ部の制動装置を作用させる構造の慣性ブレーキを装備している。

Cトレーラ部の左車枠中央部に予備スタンドを設置しており、バイクと連結された状態での駐車時の転倒防止に配慮している。

Dトレーラ前部には、バイクとトレーラを切離した後に使用する折畳式メインスタンドとトレーラ切り離し後の移動を行うためのハンドグリップが装備さ れている。
 
図−6に示すように、道路運送車輌法の保安基準に準じて下記、付帯設備を 設置している。
@トレーラ前面下部両端には、白色の車幅灯を設けている。
Aトレーラ最後部の走行装置部には、三角型の反射板1個を設置している。
Bトレーラ最後部上端には、標識取付板や制動灯及び方向指示器を設置している。
写真−1の二輪車はヤマハ/SRX400で、トレーラはTRA_03で「 消防資機材等」を搭載した写真である。
写真−2の二輪車はヤマハ/DF200で、トレーラはTRA_04の防水 カーゴ式で「簡易医療機器やバッテリー、大型消化器」を搭載した写真である 。


「 補 足 」
「運用体勢」は、二人/1チーム編成で運用するのが効果的であると類推され る。
「車検」については、道路交通法及び車輌運送法の規定により、250cc以 下の二輪車で牽引する場合は、トレーラ部を「軽二輪登録」し、250cc以 上の二輪車で牽引する場合は、トレーラ部を「軽貨物自動車登録」を行う。

 尚、この牽引システムは、「特許等の登録証」と「運輸省の軽貨物自動車認証」を取得した、二輪牽引式の多目的消防活動二輪車である。

 この牽引システムの走行安定性を容易に理解して頂くたために、NHK放送局で生中継された映像と運用中のビデオを添付致します。

(図−1)


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