病院のお食事日記

文字のずれで読みにくくならないように,なるべく大きな画面でご覧下さい。
『病院で出会った人々』もあわせてお読みください。


 いまさら何で5年も前のことをとお思いでしょうが,ショックも痛みも忘れかけた今(天候不順のときは時々痛みますが),私を支えてくれた人々の愛情を忘れないために,ちょっとしたことでも書き留めておこうと思ったからです。また,当時の日記に退屈紛れに記録した,退院までの2週間の昼食と夕食の献立があったのを見つけ公開しました。

 スビアコで怪我をして病院に運ばれたのが3月19日で,3月20日にローマの病院に転院してから7日間の記録はありません。痛みと緊張で,心に余裕がなかったので記録しなかったのでしょう。
 ローマの病院は,St. Clinica Salvator Mundi という病院でローマのジャニコロの丘のはずれにありました。
 イタリアの病院は,外科病棟はおいしそうな食事が出るらしいのですが,当時の私にはそれがおいしいのか,おいしくないのか知るすべはありません。ただ本来は内科の病院らしいです。スビアコでは,イタリアの旅行会社が遠いのと,英語が通じないために転院したようなものでした。

 スビアコの病院では,食事はありませんでした。夜,カモミールのハーブティーがだされ,翌朝,アンジェロがバナナとウエファーを買って持ってきてくれたようでした。ウェファーは未開封の食べ残りを日本に持ち帰ったので定かですが,バナナの記憶は曖昧です。

3月26日
昼食 鶏モモ肉のソテー,グリーンピースのスープ煮,ペンネ(トマトソース)
夕食 ピーマンの肉詰め,スープ

3月27日
昼食 Tボーンステーキ,ニンジン・ジャガイモの温サラダ,マカロニ(塩茹でで,オリーブ油とパセリをまぶす)
夕食 ほうれん草のソテー,スープ

3月28日
昼食 ツナステーキ,ズッキーニのソテー,マカロニ
夕食 プレーンオムレツ,さやインゲンのソテー,スープ

3月29日
昼食 ヒラメのオイル焼き,食べたことのなかった根菜(フィノッキオか?),穴のあいたスパゲティトマトソース
夕食 非常に硬いハンバーグ,にんじんのグラッセ,カボチャスープ(生パン入り)

3月30日
昼食 マグロのステーキ,ズッキーニのソテー,ペンネ(トマトソース)
夕食 プレーンオムレツ,さやインゲンのソテー,アルファベットのパスタが入ったスープ
  

3月31日(1996年サマータイム開始日:1時間早く起こされた)
昼食 鶏モモ肉のソテー,グリーンピースのスープ煮,フェットチーネ(トマトソース)
夕食 ポテトグラタンに鶏肉のあんかけ,さやインゲンのソテー,スープ(フェットチーネ入り)

4月1日
昼食 焼豚(味付けは不明),焼トマト,ほうれん草のフリッタータ,リゾット
夕食 温サラダ(ズッキーニ,人参,ジャガイモ,トマト,グリーンピース),スープ,カマンベール・クリームチーズ

4月2日〔白衣の悪魔再登場〕X線撮影のため冷たい昼食
昼食 Tボーンステーキ,セロリのソテー(チーズ焼き),マカロニ
夕食 牛バラをステーキ風に固めてソテーしたもの,ほうれん草ではない菜葉,スープ

4月3日
昼食 マトン角切肉の煮物,にんじんとグリーンピースのグラッセ,普通のパンの代わりにホットケーキ
夕食 プレーンオムレツ,さやインゲンのソテー,クリームチーズ,スープ

4月4日(聖木曜日)
昼食 鶏肉のソテー,ズッキーニの炒め物パルメザンかけ,マカロニ
夕食 非常に硬いハンバーグ,ほうれん草ではない菜葉,スープ

4月5日(聖金曜日)健常者は1回だけ十分な食事を摂る日:肉は食べない。
昼食 魚(白キス?)のオイル焼き,アスパラのソテー,リガトーニ(トマトソース)
夕食 ジャガイモとグリーンピース,クリームチーズ,モッツアレラ,カボチャスープ(生パン入り)

4月6日(聖土曜日:復活徹夜祭)
昼食 ロースステーキ,人参のグラッセ,リゾット(トマト味)
夕食 食材不明のペーストのラザニア巻,菜葉,クリームチーズ,スープ

4月7日(復活祭の日曜日)
朝食 いつもの食パン,ミルク,コーヒー,チーズ,ジャム・バター,果物
    プラス 卵型のチョコレートと非常に甘い大き目のショートケーキ
    ランチョンマットも花柄のきれいなもの。
    朝っぱらからのケーキには閉口した。
昼食 ローストチキン,グリーンピーススープ煮,フェットチーネ(トマトソース)
夕食 牛の焼肉,さやインゲンのソテー,スープ

4月8日
昼食 非常に硬いハンバーグ,フィノッキオ(?:セロリみたいなもの),ズッキーニ+マカロニ
夕食 焼肉,焼トマト,スープ

4月9日
昼食 牛ステーキ(トマトソース),粉ふきイも,リゾット(トマト味)
夕食 プレーンオムレツ,菜葉,チーズ,スープ

4月10日
昼食 さやインゲンの牛肉巻,人参のグラッセ,マカロニ
夕食 牛肉(味付けは不明),ジャガイモ,スープ

4月11日
昼食 鶏モモ肉のソテー,ズッキーニ,マカロニ
夕食 ジャガイモ・人参・ズッキーニの温サラダ,チーズ,スープ

4月12日朝食もそこそこに,帰国のためにストレッチャに縛り付けられ,救急車で空港へ向かった。

朝食が抜けているが,朝食は4月7日のところにあるように,毎日同じで3週間弱で紅茶でたのが1,2回あった。
果物は,オレンジが,桜島小ミカンの香りのオレンジ,果肉が赤いオレンジ,伊予柑ぐらいの大きさのオレンジか煮た洋ナシが交替で出された。
昼食,夕食の飲みものは,ワインということはなく,昼はほとんどコーヒーにたっぷりのミルクと砂糖,夜はカモミールのティーバッグにたっぷりの砂糖だった。
スープの具は,アルファベットのマカロニか非常に小さいリング状のスープマカロニかたまねぎだった。


これでローマの病院お食事日記は終わりだが,今ほど料理と食材に詳しくなかったので,読み返してみるとおかしな料理があると思う,そこはご愛嬌にて,ご勘弁いただきたい。


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