frower2016年  9月のフィールドノートから

*9月4日 奄美市笠利町 宇宿漁港と大瀬海岸
 大潮の満潮に近い時間のせいか、宇宿漁港の草地にシギチが集まっていた。ムナグロやメダイチドリはさほど珍しくないが、トウネンやキョウジョシギはちょっと珍しい。しかも
キョウジョシギはまだ幼鳥のようで、あまり人を恐れずどんどん近づいてくる。おかげで至近距離から存分に観察できたのであった。大瀬海岸に回ると、案の定潮が満ちており、
大型のシギチやサギ類が陸地にあがって休憩中。ダイシャクシギにチュウシャクシギ、アオアシシギ、キアシシギ、セイタカシギにダイサギ、アオサギ、クロツラヘラサギなど。まだ
まだ暑い日が続くが、南下途中の旅鳥を見ると、季節はもう秋なんだと実感する。


▲草地で餌を探すキョウジョシギの幼鳥。


▲1羽だけで飛来していたダイシャクシギ。


*9月14日 奄美市笠利町 笠利崎
 加計呂麻島からはじまり、徐々に北上していった松枯れもついに北端の笠利崎にまで到達した。変色したリュウキュウマツで山が赤茶色に染まっているのを見ると、心が痛む。
と、マツノマダラカミキリを発見。このカミキリムシこそがマツノザイセンチュウの媒介者である。相当な数のカミキリムシがいると思われるが、実は目にするのは初めてで、ちょっと
感激。別の甲虫が飛んでいると思ったら、これもマツにつくサツマウバタマムシである。枯れたマツは枯れたマツなりに昆虫たちで賑わっている。さしずめ枯れ木も虫の賑わいか。
道端に紫色のチョウを発見。久々に見るメスアカムラサキのオスである。近づいても逃げるでもなく、のんびり翅を開いて止まっている。毒蝶カバマダラに擬態したメスとは違って、
オスはなかなかに美しい。


▲マツノマダラカミキリ。触角がそれほど長くないので、メスだろう。


▲サツマウバタマムシはそれなりに渋くて美しいのだが、マツに止まると見事な隠蔽色だとわかる。


▲メスアカムラサキのオス。奄美大島ではまだ定着していないのかな。


*9月17日 龍郷町大勝
 中秋の名月ならぬ仲秋の満月のこの日、はじめて月に浮かぶコウノトリの写真を撮ってみた。台風の接近で空模様が怪しかったが、なんとか東の空だけは雲が少なく、かろうじ
て満月が顔をのぞかせてくれた。


▲薄雲の垂れこめる中、昇ってきた満月に照らされて、コウノトリのシルエットが浮かび上がり……。


▲そして満月のど真ん中に!


*9月26日 龍郷町長雲峠
 
夜の林道脇で珍しく2羽のアカハラダカを見つけた。それほど林縁で寝る鳥ではないにもかかわらず2羽もいたということは、かなりの数のアカハラダカが付近の森で休んでい
るのではなかろうか。今年の9月後半はあまり天気に恵まれず、朝から晴れて北風が吹くというアカハラダカの渡りに絶好な日が少ない。おそらく昼以降の晴れ間が出る時間帯
を狙って少しずつ南下しているのだろう。明日はまた朝から雨の予定だが、このタカたちはいつ渡れるだろうか。


▲アカハラダカのオス成鳥。暗色のアイリスはアイリングに囲まれていないので、少々キツめの顔に見える。


▲アカハラダカの幼鳥。ツミの幼鳥に似ているが、やはり黄色いアイリングがない。


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