frower2002年  10月のフィールドノートから

10月2日(水)晴れ 龍郷町浦
 
浦の池にはヒメフチトリゲンゴロウが棲んでいる。最近観にきていなかったので、様子をうかがい
にやってきた。しかし、池は一面ホテイアオイが生い茂り、水面をのぞくことができない。網もつっこ
むことができず、ゲンゴロウがいるのかどうかさっぱりわからない。ホテイアオイは爆発的な繁殖力
で水辺を陸地化していく。最近いたるところで目に付くが、早めに駆除しないと貴重な水系がだめに
なってしまう可能性もあるのではないだろうか。
 ホテイアオイの繁茂した手前の池とは裏腹に奥の池は広く水面が開けている。隣接した池で、な
ぜこんなに環境が違うのかよくわからないが、なぜかこちらではゲンゴロウも見かけないのだ。と、
青い閃光。カワセミが一羽鳴きながら飛んだのだ。池の奥にはアオサギやバン、タカブシギなどが
いる。リュウキュウヨシゴイが一羽飛び出したので、それを追いかけていると、視界に見慣れない鳥
が。全身褐色っぽくて首が長い。エリマキシギかなと思い、双眼鏡でのぞくと、なんとレンカクではな
いか。そういえば、浮き草のあるこの環境、いかにもレンカク好みである。後ろ首の黄色と長い尾が
エレガントな夏羽ではなく、地味な冬羽であるが、構わない。久々のライファーに感動。


▲冬羽のレンカク。浮き草の上で、草の実などを探していた。


10月10日(木)曇り 住用村某林道
 
9月、10月は3、4月と並んでオオトラツグミの姿を観やすい時期のような気がする。午前中や夕方
林道を走っていると、下に降りているところをよく目にする。きょうはオオトラツグミの採餌をビデオ撮
影しようと、観察ポイントまでやってきた。
 一週間前には7時頃来たときには、ここで2羽、少し離れた場所に1羽が賑やかに落ち葉をひっくり
返していたのだが、けさは7時半になっても姿が観えない。だが、時折ツィーというツグミ類特有の鋭
い地鳴きが聞こえる。こちらを警戒しているのかもしれない。しばらく車の中で待つ。10分ほどして、
ふと運転席横の窓から外を見ると、いつの間にかオオトラツグミが降りてきており、餌を探している。
落ち葉の下からミミズをみつけ、さかんに格闘しているのだ。その距離2メートル、絶好の撮影チャン
スなのだが、こういうときに限ってビデオの準備ができていない。慌てて準備は整ったときには、オオ
トラツグミははるか前方へと歩いていった後であった。


▲餌を探すオオトラツグミ(10月4日撮影)。けさはもっと近かったのに……。


10月15日(火) 晴れ 龍郷町秋名
 探鳥会の下見で奄美自然観察の森に出かける前に、秋名に寄ってみた。着いてすぐに岩元夫妻の
車を発見。農道の脇に駐車して、何かを真剣に観察されている様子。邪魔をしないようにそっと近づく
途中でマミジロタヒバリ2羽を発見。さては岩元さんもこいつを観ているのかと、自分もフィールドスコー
プを出して観察を始める。マミジロタヒバリはタヒバリ類の中では足も長く、断然スマートである。水田の
刈り取った跡を歩きながら、さかんに採餌している。その向こうに、冬羽のノビタキがやってきた。ぼち
ぼち冬鳥たちが訪れる季節なのだ。
 しばらく観ていたら岩元車がこちらに合流。聞くと、あちらはマミジロタヒバリではなくレンカクを観てい
たとのこと。10月2日に浦で出現して以来行方不明になっていた個体か、あるいは別個体かもしれな
いが、とにかくけさはこの秋名にいるという。すぐにそちらに向かい、存分に堪能。


▲マミジロタヒバリが2羽で採餌中。

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