frower2020年  12月のフィールドノートから

*12月4日 奄美市笠利町宇宿
 11月22日に大瀬海岸でヒシクイ2羽が目撃されたとの連絡を受けて23日に確認に行ったところ、そのときは宇宿の農耕地に降りていた。気づかずに車で接近してしまい飛ばしてしまった
反省を受け、本日はゆっくりと注意しながら農耕地を回る。すると、前回観たのとほぼ同じ場所に2羽のヒシクイを発見した。2羽とも首と嘴が短く見える亜種ヒシクイのようだ。ヒシクイは毎
冬のように奄美大島に数羽が飛来しているが、ほとんどが亜種オオヒシクイであり、亜種ヒシクイはどちらかというと珍しい。人の気配に敏感で遠くからこちらを警戒して首を上げたままだ。
あまり邪魔しても悪いので、写真を数枚撮ると早々に引き上げた。


▲亜種ヒシクイ。100m程離れた場所から観察しているのだが、警戒されてしまった。



*12月5日 奄美市住用町摺勝
 摺勝の農耕地で今季初めてツグミとアオジを確認した。これで冬鳥もひと通りそろったことになる。ふと空を見上げると、遠方に大型の鳥が3羽で飛んでいる。シルエットはどう見てもツルだ。
降り立ったと思しき場所へ車で駆けつけると、3羽ではなく4羽のナベヅルがいた。成鳥が2羽、若鳥が1羽、幼鳥が1羽一緒に行動しているので、おそらくファミリーなのだろう。空腹なのか、そ
れほど人の目を気にするでもなく、草地で餌を採っている。十分に観察して帰り際、電線に10羽ほどのムクドリらしき鳥の姿を発見。双眼鏡で覗くと、ムクドリ4羽にホシムクドリが6羽である。
畑の生垣の中のブッシュで何かの実を食べているようで、そこと電線を行ったり来たりしている。ブッシュが見通せなくてよくわからないが、もっと数がいたかもしれない。


▲ナベヅルのファミリー


▲左から、若鳥、成鳥、幼鳥


▲ホシムクドリ。最低6羽はいた。


*12月8日 龍郷町秋名
 11月6日にやってきたカナダヅル2羽はまだこの地に滞在中。最近は求愛ダンスらしき舞いを見せることも多いのだが、2羽ともまだ若いのか、息が合っておらず、見ていて微笑ましくなる。
11月7日からは3羽のヒシクイも飛来しており、大型の水禽類で賑やかである。こちらのヒシクイは12月4日に笠利町宇宿で観たものと違って、亜種オオヒシクイ。ただでさえ大きなヒシクイが
ますます大きく見える。こちらの3羽も首を上げて、こちらのようすをうかがっていた。大きいわりに臆病な鳥なのかもしれない。その他はコガモやセイタカシギ、タヒバリなど。


▲雁首を並べた亜種オオヒシクイ。


▲コガモのオスの正面顔。



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