オオトラツグミ一斉調査にご協力
いただき、有難うございました。

 
 一斉調査実施日:2007年3月17日(土)・18日(日)・19日(月)・21日(水)

 私たち奄美野鳥の会では、奄美の森に生息する貴重なオオトラツグミの繁殖個体
数の増減を把握しておくために、1994年からこの鳥が一斉にさえずり始める毎年3
月に奄美大島で一斉調査を行っています。
  今年は、3月17日(土)に定点調査(住用ダム線など)、18日(日)の一斉調査
(奄美中央林道全域・油井岳)、19日(月)、21日(水)に補足調査を実施し、残
りの地域につきましては、4月初旬までに奄美野鳥の会の会員で順次追加調査を行
いました。
 その結果、17日の定点調査に37名、18日の一斉調査に97名、19、21日の補足調
査にそれぞれ、12名、21名の方々がボランティア調査員として参加していただき
ました。4日間の合計で延べ167名のボランティア調査員の方々に参加していただき、
167羽のさえずり個体を確認することができました。さらに、会員による追加調査
を含めた4月初旬までの調査全体では、総計でさえずり個体が昨年(165羽)よりも
84羽も多い249羽となり、延べボランティア調査員の総数は246名となり、これまで
に最も多くの方々にご協力をいただいたことになります。
 またこれまでと同じように今年も奄美野生生物保護センターや鹿児島森林管理署
の協賛、鹿児島県大島支庁農林課・名瀬市・笠利町・龍郷町・大和村・住用村・瀬
戸内町のご後援をいただくことができました。奄美博物館には調査員説明会の会場
を提供していただきました。調査に参加されたみなさん、ご支援をいただきました
諸団体や個人の方々に対し、改めて心から感謝致します。ご支援、ご協力ありがと
うございました。

            特定非営利活動法人 奄美野鳥の会 会長 高 美喜男


●2007年オオトラツグミさえずり調査結果

調査日 調査地 調査地点 調査員 確認羽数
3/03(土) 大名線(津名久〜大棚) 4 4 7
3/15(木) 神屋国有林 3 4 2
3/17(土) 安念勝林道 2 4 2
和瀬峠 3 3 5
小湊安木屋場線 5 9 10
スタルマタ村道 5 5 9
住用ダム線 6 7 4
役勝(国道59号) 5 9 9
3/18(日) 奄美中央林道 40 88 78
油井岳 6 9 12
3/19(月) 網野子・節子 3 4 2
丸畑線 4 4 7
篠川下福元線 3 4 4
3/20(火) 地蔵峠 1 1 2
3/21(水) 三太郎・石原 4 5 8
川内川 4 4 5
湯湾岳 5 5 8
清水 4 7 4
3/22(木) 勝浦 2 4 7
3/24(土) 金川岳 8 8 11
3/25(土) 戸玉川 2 2 3
山間川 2 2 1
湯湾釜線 1 1 1
津名久線 1 2 1
三田川 1 1 0
大和川 1 1 0
大棚川 2 2 1
大和村役場前 1 1 0
思勝林道(大和小南) 1 1 0
3/27(火) 戸口林道 4 4 1
3/28(水) 田検川 2 2 1
篠川 1 1 1
3/29(木) 金久田川 1 1 2
3/31(土) フォレストポリス周辺 6 6 5
戸円 2 2 5
4/01(日) 名音川 2 3 2
湯湾岳線(名音側) 2 2 3
湯湾岳線(今里側) 3 3 1
今里 1 1 3
志戸勘線 1 1 3
大良川(上流) 1 1 2
4/02(月) 知名瀬林道 2 3 2
マテリア線 2 2 2
4/03(火) 興福地線 4 4 2
4/05(木) 根瀬部林道 2 2 0
4/06(金) 赤房線 4 4 3
4/07(土) 大名線(起点〜津名久) 5 5 8
合 計 41地域 172地点 246人 249


●オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果の推移

奄美中央林道 その他 合 計
1990 24羽 1羽 25羽
1994 40羽 14羽 54羽
1995 18羽 14羽 32羽
1996 18羽 11羽 29羽
1997 27羽 14羽 41羽
1998 21羽 17羽 38羽
1999 44羽 28羽 72羽
2000 25羽 36羽 61羽
2001 40羽 34羽 74羽
2002 40羽 37羽 77羽
2003 43羽 61羽 104羽
2004 42羽 84羽 126羽
2005 68羽 103羽 171羽
2006 47羽 118羽 165羽
2007 78羽 171羽 249羽

*「その他」の観察は、1990年と1996年は任意観察のみであるが、1994年と1995年、および1997年以降は定点
観察も行なった。1994年、1995年、1997年以降に比べて、1996年の観察地点はかなり少なく、見落としが多い。
(1990-1995は、石田ほか1995から抜粋)
 1998年以前は奄美中央林道の里・金作原地区と神屋地区のみの調査であったが、1999年以降は奄美中央林
道全域を調査した。
 その他の場所は年々観察地点が増えているため、個体数が増えている。

*表は、Strix vol.15.1997.『オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果(1996年春)奄美野鳥の会』に1997年
以降の調査結果を加えて作成。


 今回はこれまでの調査で最も多い延調査員総数246名で、オオトラツグミが生息してい
る可能性のある奄美大島のほぼ全域を調査することができました。オオトラツグミのさえ
ずり個体数の集計総数は249羽で、昨年の165羽より84羽増え、初めて200羽を超える
記録となりました。


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