私共鹿屋市医師会は、市民の皆様により良い医療を提供できるよう、これまで様々な取り組みを行ってまいりました。
とりわけ救急医療体制に対する取り組みに関して申し上げますと、 昭和52年に国が救急医療体制を制度化する遥か昔の昭和40年という早い時期に休日当番制を全国にさきがけ開始し、空白のない医療体制を整えました。そして平成10年、鹿屋方式を誕生させ、 過疎地域の小児救急を守りました。そしてその成果は、全国の救急対策としてマスメディアに取り上げられ、内閣総理大臣表彰にまでいたりました。また鹿屋方式は地域の医療連携の構築、又、 劣悪であった高度専門医療施設の整備にも波及いたしました。しかし最善の方策であろうと思われた鹿屋方式は残念ながら破綻してしまいました。そこで、鹿屋方式で培われたその医療体制を なんとか維持できないものかと議論を重ね、平成23年4月に市民の皆様、行政のご協力の下、夜間急病センター設立に至ることとなりました。
 このシステムは少ない医師で効率よく夜間救急医療を行い、さらに少ない専門家を疲弊させない為の方式です。その方式を選択するに至った根拠の一例といたしまして、医療対象人口、県都鹿児島市60万人、 鹿屋医療圏20万人と3倍の開きですが、医師会会員数、鹿児島市1500名以上、鹿屋市130名と10倍以上の開きが存在するといった、私共には厳しい医療環境が存在するからであります。医療資源の乏しさゆえに、 全国では医療を求めて地方からの人口流失、そして県都に人口が集中という構図が顕著になっており、社会問題化しつつあります。命の地域間格差が現実となりつつあります。時間的に余裕のない救急医療に関しましては 特にそのことが問題となってまいります。又、高度専門医療施設の整備という点に関しましては平成10年以前、全国10万人以上の都市で、心臓カテーテル施設のない地域はこの鹿屋地域だけであったものが、現在、 10万人当たりの心カテ件数が、全国2位という報告がありました。今年はさらにそれらの制度、取組みがこの地にとって実際どのような成果を上げているかの医学的検証を、行ってまいります。
 最後に、これからも市民の皆様に、私共医師会は、地域にとってよりよいご提案をさせていただきますので、今後とも、皆様方のご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げ、就任の挨拶とさせていただきます。