碁聖秀策と雄蔵

本因坊秀策には僕も囲碁を覚えたての頃から憧れたものだ。

なんたって御城碁、不滅の19連勝

ヒカルの碁佐為のモデルなのだ。

秀策は簡明に、わかりやすく勝った。無理をせず勝つ。
抜群の棋力があって可能なことだ。悲しいかな、アマの僕
には想像できないはるかなる高みの世界だ。

秀策の生涯を通じての好敵手は、太田雄蔵である
若き秀策が八年がかりで互先に追いつき、まったく
成績互角のうちに、両者が死力をつくした三十番碁
が開始された。
きっかけは高名な碁打ちの集まりの席で、誰が今、
一番強いか話題になり、算知、松和、仙得、正徹らが
「秀策が当代の最強者」というと、雄蔵が、「わたしゃ
なんともいえませんね」だってようやく秀策は互先に
なったばかり。ごもっともな話。

この一言がきっかけで三十番碁、実現

本因坊秀策