(球と四角錐と円柱  東大 理系 1998と2005) 2011.8.28
 
夏の講座を見学した。
例年行われている,意欲的な難関大学を希望する生徒が集まり,切磋琢磨するような講座である。

今年は,球の通過領域の体積と四角錐を円柱でくり貫く体積のテーマが面白かった。

問題は,これとこれ

 

東大の1998の問題と2005の問題が参考になります。
これは作図できなくとも,スライスされた面積の集合=体積という積分の基礎的考え方が
分かっていれば,計算はタイヘンですが,なんとか戦える問題でしょう。
ま,しかし,図がイメージできればスライスという平面も浮かんでくるのは,
当然至極と言いますか,自然の流れでしょうから,経験はやはりないよりはあったほうが
いいのだろうと考えます。

球は,sphere 四角錐は,four-sided pyramid  と英訳されます。

アニメはそれぞれスライスという観点と,視点を変えた擬似3Dのような
2種類がありますので,じっくりご覧下さい。

 

 

アニメGIFファイルの元となっているGrapes3Dのファイルはこちらこちらからダウンロード
できますので,Grapes3Dを利用して,スクリプト(マクロのような自動実行プログラム)を
走らせて見てください。自分の手で楽しめますよ。

 

【解説】

 

【重要な点】 図形を(特に空間図形を)黒板で説明するのは難しい。
ましてや言葉だけでイメージさせるのは難しい。
経験に基づくものならば,ある程度話術で何とかなるが,

(というのは具体的に,
 「まっ赤な赤い汁がぽたぽた落ちそうな梅干に
  紫蘇がからみつき,そこに真っ二つに切ったレモンをぎゅーっと絞って・・・」
 っと言うのを聞くと,読むと,多分つばが出てるはずです。
 これは,日本人ならではの経験値によるものでしょう。)

経験のないものをいくら説明しても,なかなかイメージは沸き辛いでしょう。
そこに立体図形の,更に動く図形の登場となるわけです。

 

 動く図は先ほどの通りですが,止まった図は,下図のとおりです。

円の通過領域は,外角部分は丸いけど,内角部分は90°なんですねぇ・・・

これが球だったら,どのスライス面もこの形と同じですね。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

くり貫かれた4隅の立体の形状が簡単に思い浮かびますか??

授業の中では,粘土をホントにくり貫きました。うむ,そうでしょうね,やっぱり。

 

 

【おまけ】

 CGクリエイターにとっては,数学的知識よりもむしろ断面の推察力のほうが
重要でしょうから,このGrapesアニメも,あながち無駄なものではないでしょう。
実物としては,水道工事業者の使うパイプのジョイント部分が最適だと思います。

 ホームセンターで手にとって見ると,こちらも参考になるでしょう。
(こうなると数学は実生活にかなり役に立つ事になりますね。)

実際の答案は掲載しておりません。あくまで,発想の手助けというアニメです。
模範解答は参考URLから参照してください。

http://www.densu.jp/main05.htm

http://www.j3e.info/ojyuken/math/php.php?name=tokyo&v1=1&v2=1998&v3=1&v4=6&y=1998&n=6
などは,しっかり作りこまれてるサイトです。

結論
・イメージは難しいが,経験があれば,想像できる。
・数学は町中のどんなところにも転がってる。
・でも,アニメ作るにゃ,結構数学的知識が必要。

 

さてさて,最後に,そのアニメーションの作成について書いておきます。

Grapes3Dで作図する。
パラメータをスクリプトで変えながらGIFで出力する。
GiamでGIFアニメーションへの処理をする。

といつものようにこれだけでした。(でもGrapes3Dの関数処理とスクリプト作成が厄介だった。。。)

 

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