(シェルピンスキー ギャスケット テトラへドロン) 2008.9.28
       Sierpinski-Gasket-Tetrahedron

 

 これが夏休みの宿題・・・

生徒が,こんな立体を製作したことから,話が始まっている。


だんだんと中が抜けてゆく様子
モーフィングさせてある。


左の4段階を回転させた。
Mathematica(後述)で作成した。

 以前も,ワタシのHPでシェルピンスキーギャスケットについて,偶奇性など論じたが,(それはここなど)今回は正四面体テトラへドロンとの関係を,実際の授業の中で展開してみた。
 上記の実物立体模型と,アニメーションで作成された1段階から4段階目までの状態を,よーく見てもらいたい。不思議な図形と認識していただけるだろう。
 まずは正四面体について,詳細を書くと下記のような特徴が挙げられる。高校入試程度の問題として扱われるようだ。(三平方の定理の実際の演習としては最適であろう。)

S'とSとhとVとが計算されている。これが1段階目の姿である。これを基礎として,4段階に渡って表面積や体積などを調べた。

【いきさつ】

 数学基礎という科目を教えている。その中で,正三角形を利用した正多面体の作成というテーマがあり,実際にケント紙を切って製作していた。夏休みの宿題として,「正三角形をたくさん利用して,”おもしろそうな”立体を作成する事」と出したところ,生徒の製作してきたものがこれであった。生徒自身,これがフラクタルであるとか,シェルピンスキーギャスケットなどとは,知らなかった様子であったが,作っていくうえで”発見”したのであろう。

 せっかく作ってきたので,ワタシの研究テーマのフラクタルと絡めて,これを素材にあと数時間授業を展開した。正四面体の特徴から,表面積・体積などと展開して,段階を1から4段階に進めてゆくにつれて,表面積はどのように変化するか,体積はどのように変化するのかを調べてみた。これが今回のこのページの作成のきっかけとなったものである。

 大学入試問題においても,これらフラクタル構造化を進めていく上で,段階ごとに調べさせることによって,数列や極限・微分積分との融合として出題されているものが散見される。

作成した資料に計算してまとめている。

 

【資料】

黒板で計算を進めている。

 実際の結果としては,表面積は段階が進んでも√3で一定のままであった。

しかし,体積は,最初の段階が√2/12であり,段階を追うごとに半分になっていく事が分かった。

最後に,表面積が変わらないのに体積の極限は0に近づくという部分がフラクタルの所以であり,一般的な概念と異なるところである,とまとめたが,極限の概念も学習していないところでの授業展開であったため,面白くもあり難しくもあったと思われる。

実際にモデルとして作成したMathematicaのファイル
これを資料として提示して,PCで実際に計算させるところを見せた。

 

【作成したMATHEMATICAのnbファイル】

Needs["DiscreteMath`Combinatorica`"];

{v1, v2, v3, v4} = {{0,0,0}, {2,0,0},{1,1.732,0}, {1,0.5774,1.633}};

mp[x1_, x2_] := 0.5 (x1 + x2);

SetAttributes[maketet,Listable];

maketet[tet[{v1_, v2_, v3_, v4_}]] :=
{tet[{v1, mp[v1,v2], mp[v1,v3], mp[v1,v4]}],
tet[{v2, mp[v1,v2], mp[v2,v4], mp[v2,v3]}],
tet[{v3, mp[v1,v3], mp[v3,v4], mp[v3,v2]}],
tet[{v4, mp[v1,v4], mp[v2,v4], mp[v3,v4]}]};

makepolyrules =
tet[{a_, b_, c_, d_}] ->
With[{verts = KSubsets[{a,b,c,d}, 3]}, Map[Polygon, verts]];

Do[
Show[GraphicsArray[
Partition[
Graphics3D[#, Boxed->False, ViewPoint->{2 Cos[n],2 Sin[n],0.4}]&/@
NestList[maketet, tet[{v1,v2,v3,v4}],3] /. makepolyrules,4]]];
,{n,0,2 Pi,0.1} 
]

本体は,こちらからどうぞ

今回利用したソフトは,

MATHEMATICAと,GIFアニメを作成のフリーソフト,Giam ver.2.03,それにアブストラクト作成にStudyaidです。

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