(逆数グラフのイメージ) 2013.3.4
       multiplicative inverse

 

今年度の郷中ゼミという授業で,「逆数グラフのイメージ」というものを提案した。

逆数イメージって?に関する動画でのまとめ。

逆数 (ぎゃくすう, multiplicative inverse) とは,

ある 0 でない数に対し、乗算 (掛け算) した結果が 1 になる数のことである。

具体的には, 0 でない数 a に対する逆数は,1/a あるいは a-1 と表される。

つまり,分数の逆数は単に上下(分母と分子)を入れ替えただけである。

 

下の二つの赤と青のグラフを比較してほしい。


 青のグラフは,中学校3年生で学習する2次関数で,y=x2+1 の状態である。

 それに対して,赤のグラフは,正式には高校3年生辺りの数学Vで登場する分数関数のグラフであり,y=1/(x2+1) を描いている。 

で,

何が言いたいかというと,こんなに学習時期が3年間も離れているのだが,逆数的発想だったら同時にできるでしょ?

ってことである。

以下のアニメを見て欲しい。

これは,先ほどのグラフが,a=1の瞬間のことであり,一般的に,y=x2+a と,y=1/(x2+a) を描き,aを変化させている。

逆数とは,y=1(グラフ内の緑点線)に対して,上下反転するイメージである。

もう少し具体的に言うと,x=3においてのポイントを見るなら,32=9なのか,1/32=1/9 なのかの違いである。

これが,例えば,x=1/3においては,更にその逆と考えられ,1/9なのか,9なのかである。

つまり,∞においては,1/∞=0を意味し,0においては,1/0=∞を意味しているのである。(分かる??)

ところで,私は,赤グラフの方を富士山状のグラフと称している。

 

日本の小学校においては,

小学6年生で分数の掛け算・割り算について学習する際に,逆数について学習する。 (実際には具体的な数を用いる)

そこにおいて,aで割ることと,1/aを掛けることが同じ結果を得ることなどを学ぶ。

この事が中学校の課程において,加法における逆元,つまり負の数について学ぶ準備になっている。

さらにはこのページで述べたように,高等学校での分数関数のイメージ作りに一役買っている。(準備だったと気づいていたか?)

 

 

まとめ

結局何だったかというと,長くなったが,逆数というものはイメージできるということです。

上下反対,とか

大きいほうが小さい,とか,小さい方が大きいとか,

こんなことを想像できるってのが,数学の面白さでしょうね〜〜。自由ですね〜。

 

参考資料は,こちらから。2012.8の郷中ゼミ資料

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