(直線と円との共有点の個数)     2002.5.25
 
(問題)

直線 2x+y+n=0 と 円 x+y+2y−4=0 の共有点の個数を調べよ。

(教科書の例題に取り上げられる代表的問題である。)

(解) 

直線の式をy=−2x−nと変形し,円の式に代入すると,
+(−2x−n)+2(−2x−n)−4=0 となり,整理すると
5x+(4n−4)x+n−2n−4=0 となる。

共有点の個数は,この式の解の個数に一致するので,判別式D=b−4acは,
D=(4n−4)−4・5(n−2n−4)
 =−4(n+4)(n−6) となる。

(i)D<0 つまり n<−4,n>6のとき 共有点なし

(ii)D=0 つまり n=−4,6のとき 共有点1個

(iii)D>0 つまり −4<n<6のとき 共有点2個

【解説】 

一般には,上記模範解答のように,判別式Dを利用し,解が存在するか/重解を持つか/虚数解か。の三パターンで解答してゆくのが通常であろう。その際の不等式または方程式を解くことによって,nの範囲や値は求まる。

しかし,あえて,いつものごとく言いたい。

 「それでいいのか?図形的意味は?nは何なの?」である。

そこで,下図をご覧いただきたい。

その円は固定される。(中心が(−1,0)で半径√5である。)その上にnがいろいろと変化する直線を書き込んでみた。
つまり,y=−2x−nという式は,y切片の座標を変えながら,平行移動させているわけである。
下図中央のy軸に注目していただきたい。の色の違いが理解いただけるだろうか?n=4,−6が見て取れるはずである。しかし,y切片が−nであるため,結果的には,nの値は,−4と,6を境界とすることが理解されよう。

 端的に例えて言うならば,団子に串が刺さっているのか,引っ付いているのか。である。

 

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