(99 青山学院大・理工)
 
(問題)  
aは,0<a<1を満たす実数の定数とする。 
複素数zに対して複素数ωを 
 ω=1+aiz (iは虚数単位) 
によって対応させる。 
複素数平面上で原点O,1,iの3点を頂点とする三角形をTとし, 
zがT上を動くときにωの描く三角形をT, 
zがT上を動くときにωの描く三角形をTとして, 
以下同様にT,T,・・・を定義する。 
(1)TとTの和集合を図示し,その面積を求めよ。 
(2)4番目の三角形Tが,点1と点iを結ぶ直線と 
      共有点をもたないための,aに関する条件を求めよ。 
(3)aが(2)で求めた条件を満たすとき,三角形 
      T,T,T,・・・・,Tnの和集合として与えられる 
      図形の面積をSnとする。極限値limSnを求めよ。 
                          n→∞
複素数平面上の移動
 
(解)  
(1)zからωへの変換は以下のように分解することが出来る。 
    
   ↓  これは,原点中心の90度の回転 
   iz 
   ↓   これは,原点Oを中心にa倍の縮小(aは,0<a<1を満たす実数の定数だから縮小) 
   aiz 
   ↓    これは,+1(右へ)平行移動 
   1+aiz 
と見なすことが出来る。 
つまり, 
          1 
=1×1×--- 
           2 
                    1    1 
={1−(−a+1)}×a×---=---a 
                    2    2 
 
        1     1     1 
∩T=---a×---=---a 
        2     2     4 

             1    1      1 
よって,T∪T=---+---a−---a 
             2    2      4 
 
             1   1 
         =---+---a 
             2   4 
 
---------(2)以下略:これ以下はちょっとムズイね。 
【解説】  
 複素数平面上の図形の変換(回転・縮小・平行移動等)を三角形を用いながら,出題している。 
 基本的な変換ばかりであり,イメージさえ浮かべば,難しいとは言えないだろう。特に最後の計算は,底辺×高さ/2という, 
小〜中学校程度であろう。変形は面白いねぇ。 
 こういった良問があるにもかかわらず,複素数はまたも新課程からは消えちゃうのか・・・悲しい・・・