(円と直線の共有点)     2002.12.10
 

円と直線の共有点に興味深い問題が出題された。

2002年 2年生対象 7月進研模試 から。

大問5 図形と式
 円C x+y−6x−2y+5=0 と 点A(0,2)がある。
 (1)円Cの中心と半径を求めよ。
 (2)点Aを通り,傾きmの直線が,円Cと接するようなmの値を求めよ。
 (3)直線y=x−3上に点P(p,p−3)をとるとき,線分AP(両端を含む)と
    円Cとの共有点が1つだけであるようなpの値の範囲を求めよ。


 (1)円Cを変形して,(x−3)+(y−1)=5
     より,中心(3,1) r=√5

 (2)点Aを通り傾きmの直線の式は,y=mx+2
     これを円の方程式に代入して,xについての2次方程式を作ると,
     (m+1)x+2(m−3)x+5=0
     これはm+1>0であり,接するため判別式D=0である。
     D=(m−3)−5(m+1)=0
                      1
      これを解いて,m=−2,-----
                      2

 (3)         1
     m=−2,-----のときの,直線の方程式は,
             2
     y=−2x+2 と,
         1
     y=----x+2 である。
         2
     これと,y=x−3との交点をそれぞれB,Dとおき,
     円Cと,y=x−3との交点を小さい順にE,Fとすると,
     交点の座標が,B,E,F,Dと順に並ぶ。
  

     共有点が一つだけであるということは,B点,E点からF点の間(E,Fそのものは除く),D点
     である。
     求めるpの値(つまりx座標)は,3本の直線の交点の座標を求めればよいことになる。
       (計算省略)
         5
     p=----,2<p<5,p=10 (終)
         3

 

《解説》

上の動くアニメを見ると,青の直線赤の円との交点の座標(緑色の点)の個数が,

 0→1(左下から接する)→2→1→2→1(右上から接する)→0 と変化することが読み取れる。

この中で,交点が1個の時の場合のみを解答すればよいことになる。

注意点は,青の直線は半直線(右斜め上に走る緑色の直線までしか行けない)なので,

例えば青の直線が円の中心を通る際にも,交点の個数は1個しか存在しないところだろう。

 

   線分APと円との交点の個数は,下図の表のようになるのは図からも読み取れる。

     

     

 

 

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