お詫び申し上げます。
奄美に環境問題はあるのか? 当然ある。
ゴルフ場開発にまつわる訴訟や琉球アユの激減などは多くの方が耳にしておられると思うが、それだけではない。
道路や港湾の整備事業に伴う問題もある。また、喜界島など、山手の地区に散在していたはずの照葉樹の小さな森はほとんど姿を消している。百の台近辺から島の全景を俯瞰すれば、あまりの丸裸ぶりに驚くばかりだ。水資源を川ではなく地下水(湧水)に依存するこの島ではあるが、保水力の低下によっていったん水資源が失われたら、その回復は絶望的なのではないか? わずかに残った原生林を伐採し尽くすような「構造改善事業」が本当に必要だったのかどうか?
農業振興の明目で行われる畑地の構造改善事業など、比較的コンセンサスの得易い事業においても、実はその方法論の是非が厳しく問われるべき時代になっているのではないだろうか?
奄美や沖縄における環境問題には、主には二つの問題点が潜んでいると私は考えている。一つは、いまだ豊かな自然の恵みの中で暮らしているが故の、住民の危機意識の不足であり、もう一つは「主要産業」と言えるまでの位置を占めるに至った公共事業依存体質からの脱却が出来ていないことである。
このような問題は、奄美・沖縄に限らず日本国内の「地方」各地に共通して見られることでもあると思われる。
そして、その2つの問題を丹念に解きほぐしていくと、そんな「地方」の弱みを逆手に取って好き放題にしている者の存在が透けて見えてくるようにも思えるのだが....。
正直なところ、そこまで踏み込んで調べていくのは、私には少々荷が勝ちすぎているようにも思われる。しかし、奄美・沖縄に現に在る環境問題の一つ一つについては、おいおい書いていきたいと考えている。
あてにせず、気長にお待ちいただきたい。あるいは、何らかの形での情報提供も歓迎である。