象のオリ用地8割買収契約

喜界島


 大島郡喜界町で防衛庁が建設を計画している電波傍受用大型アンテナ施設(通称・象のオリ)について、福岡防衛施設局は二日、建設予定地の登記名義人約百八十人の八割に当たる約百四十人と、六月宋までに土地の売買契約を結んだことを明らかにした。
 同庁が既に取得した用地は計約二十五ヘクタールで、計画面積約三十ヘクタールの八割を超えたことになるが、計画に反対している市民団体・喜界島の豊かな自然と平和を守る町民会議の丸山邦明議長は「たとえ何割が土地を売ろうが、土地を売らない地主がいるかぎり、建設はできないとの姿勢は変わらない」と話し、計画反対の運動への影響はない、としている。  同町民会議によると、現在、売買契約を結んでいない登記名義人のうち、少なくと約十人が建設に反対している。買収を防ぐため、反対地主から二十年契約で予定地を借りているケースや同会議でサトウキビを植えるために開墾を進めている土地もある、という。
 一方、福岡防衛施設局は「反対地権者についても引き続き説得に努める」としている。
 売買契約について、防衛庁は当初、一九九七年度中に建設予定地すべてを買い上げる計画で、予算八億三千万円を計上したが、今年四月、同年度中に契約を結んだのは約六十人で、予算は九八年度に繰り越すと公表していた。

1998年07月03日、南日本新聞記事より