"象のオリ" 阻止を

川嶺集落内をデモ行進

喜界


 防衛庁が自衛隊喜界島通信所に建設を予定している最新鋭通信傍受施設「象のオリ」建設計画に対し、今年になって、同町川嶺集落から誘致運動が持ち上がっているが、建設反対運動を進めている「喜界島の豊かな自然と平和を守る町民会議」(丸山邦明議長)と「赤連農地を守る会」(嘉津正丸代表)は九日午後、決起集会を開いて川嶺集落内をデモ行進、「奄美の人々の生命を脅かす軍事施設の建設は撤回すべき」と呼びかけた。
 集会には喜界島内外から約150人が参加。あいさつに立った丸山議長は「もし象のオリが建設されたら沖縄と同様 "基地の島" になってしまう。真っ先に攻撃目標になるような恐ろしい施設は何としても阻止しなければならない」と訴えた。奄美地区労の久野議長らのあいさつのあと、「象のオリ反対」などのプラカード掲げて集落内をデモ行進。「象のオリのため集落の山林がなくなると、水源に影響が出て、町民全体が困る。一時の金もうけのために奄美全体の生命を脅かす軍事施設は断固撤回させよう」と呼びかけた。
 当初の計画地の赤連地区とは別に、川嶺地区の象のオリ誘致運動は今年八月ごろ表面化。集落民の90%以上の賛成署名が集まったとして、同町の九月定例議会でも取り上げられ、野村良二町長は積極推進の姿勢を明らかにしている。

1991年11月10日、南海日日新聞記事より